2019年09月28日

イーゴル、ニューヨークへ行く

こちらに、ドドン大統領の国連総会演説が掲載されているので興味ある点を簡単に紹介。
・ニストル川を挟んだ武力紛争は1992年以降、収まっているが、大国間でモルドヴァ共和国をめぐるコンセンサスが得られていない。
・モルドヴァは125のエスニック集団が住むマルチ・エスニック国で住民は東西、ロシア・西側で二分されている。
・それ故、私は事実上の中立的地位の承認を国際社会に求めている。
・沿ドニエストル問題は、モルドヴァの軍事的中立によってのみ解決される。
・外国部隊・武器の撤収を求めてきた。ロシア政府の直近の武器破棄プロレス再開のイニシアチブを歓迎したい。
・沿ドニエストル紛争は他とは異なり、エスニック、宗教に基くものではなく、住民間に敵対心はなく日々住民が両岸を行き来している。人道的・経済的・社会的プロジェクトを通じて共通の意識が作られよう。
・6月8日に議会多数派連合が形成され、両政治勢力はロシア、アメリカ、EUとの関係発展というコンセンサスがある。
・住民の1/3はロシア語話者を自認しており、国連公用語たるロシア語はモルドヴァでエスニック間言語のステイタスを持っている。



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原文はルーマニア語モルドヴァ語だが、ロシア語と英語の訳文があるので、暇な方は是非一読を。
「リスボンからウラジオまで」等々懐かしいフレーズとロジック満載で、古のМеждународная жизнь誌 を読んでいる感じ。
ドドン大統領、昨年は首相にニューヨーク出張を取られて、反ロシア演説をぶたれしまった苦い経験がある。おいしい出張を掠め取っていく奴はどこにでもいるのだ。
posted by 藤森信吉 at 11:04| Comment(0) | モルドヴァ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月25日

モルドヴァ、沿ドニエストル企業の銀行口座を封鎖

 こちらによると、沿ドニエストル政府は発電企業(MGRES)に対し、収入の95%をドル建てで沿ドニエストル国庫に強制売却させる法律案を議会に提出した。
 これはモルドヴァ側が沿ドニエストルの企業が持つ銀行口座を閉鎖したことに対する対応である、とモルドヴァ社会民主党のシェリン氏は述べている。彼によると、沿ドニエストルはモルドヴァの銀行による口座の閉鎖により、通貨不足となり、軍人への支払いや食料輸入にも事欠くことになる。モルドヴァを最近訪問したコザーク・ロシア副首相とバトルシェフ・両国政府間委員会共同代表は銀行口座閉鎖については全く言及しなかったため、モルドヴァ側は、モスクワがこの措置を承認しているとの解釈に傾いている。この目的は、ドドン大統領がモルドヴァ側との政治的統合交渉に沿ドニエストル側を就かせるためである。また、シェリン氏は、この措置はアメリカの合意も得ているとみている。ドドン大統領もサンドゥ首相も定期的に駐モルドヴァ・米大使と会談している。
 沿ドニエストル大統領が、法案提出について「沿ドニエストル銀行のモルドヴァ通貨市場へのアクセス制限に関連して」として、「26日までに法律改正する」としていることは、モスクワに対するシグナルを意味している。26日に沿ドニエストル大統領はコザーク・ロシア副首相とモスクワで会談する予定である。
 モルドヴァ国立銀行は、口座封鎖は、沿ドニエストル法人の二口座だけである、としているが、クラスノセリスキー大統領は、「MMZを含む一連の沿ドニエストル企業の口座を封鎖し、新口座を開くことを許可しない」と述べている。クラスノセリスキー大統領はモルドヴァの米大使やEU諸国の大使に、モルドヴァ政府に影響力を及ぼすことを求める親書を送り、また「5+2」参加・オブザーバー国がこの銀行問題で連帯するよう呼び掛けた。
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 いつの間にこんなことが… MGRESは2020年初から文字通りガス欠になる可能性があり、沿ドニエストル包囲網が進行している感あり。何度も言うけど、ロシアは統合派ですよ〜
posted by 藤森信吉 at 13:21| Comment(0) | モルドヴァ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月21日

コザーク・ロシア副首相「モルドヴァ農産品に対する輸入関税が復活するかも」

 こちらによると、コザーク・ロシア副首相は「来年度からロシアは以前の輸入関税に戻る可能性がある」と述べた。
 モルドヴァで開催された「モルドヴァ・ロシア経済フォーラム」に参加したコザーク氏は「ロシア農家はロシア政府に対し、モルドヴァ産を含む輸入品に対する関税の復活を要請している。600万ドルがロシアの国庫から失われていると主張している。従って、モルドヴァ産品のロシアへの輸出は異なる方法、例えば、製品リストの変更、等で決定されよう」と述べた。また、2020年以降、ウクライナ経由のガス輸入に対する大きなリスクはない、と言明した。
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 コザークは6月にモルドヴァを訪問したばかりだが、その際にプラハトニューク失脚工作をして見事に成功。対モルドヴァ政策に関与して20年近くたつが、実に息が長いお方だ。
posted by 藤森信吉 at 18:53| Comment(0) | モルドヴァ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月17日

「そうだ、沿ドニエストルに行こう」

 こちらによると、沿ドニエストルの官僚は、事前申請なしにモルドヴァ側へ渡航することが可能となる。
 イグナチェフ・沿ドニエストル外相によると、ドニエストル川両岸の政府は、パイロットプロジェクトで相互責任を負うことになる。ショヴァ・モルドヴァ副首相が9月16日から、モルドヴァの公人は、事前申請なしに沿ドニエストル領へ渡航できることになったことについて「パイロットプロジェクトの内容に完全にそったものではない」としたが、これに対して、外相は「関連案は用意されており、モルドヴァ側に渡した。本文書が、5+2会談において調印されることを期待している」と述べた。外相は、パイロットプロジェクトの重要点は、モルドヴァ公人が、沿ドニエストル領で公務・政治活動を行ってはならないことであり、個人目的、例えば観光であれば、沿ドニエストル側は、申請手続き過程を廃止することになる」と述べた。
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プラハトニューク氏は沿ドニエストル経由でオデッサから高飛びしたようなのだが、これも事前申請が出ていたのだろうか?
posted by 藤森信吉 at 21:37| Comment(0) | モルドヴァ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月08日

ドドン大統領「ガス価格引き下げでプーチンと合意」

 こちらによると、ドドン大統領との会談で、プーチン大統領はモルドヴァ向け天然ガス価格を引き下げることを約束した。
 モスクワを訪問中のドドン大統領はプーチン大統領と会談し、ガス部門の今後について原則的な合意をみた。これにより、モルドヴァにおける末端ガス価格は上昇しないことになる。10月1日以降にもモルドヴァ向けロシア・ガスは値下げされることになる。また、ドドン大統領は、モルドヴァ製品の5品目が引き続きロシアに無関税で輸出されること、6月のモルドヴァの政変におけるロシアの支持についても、プーチン大統領に謝辞を述べた。
 沿ドニエストル和平については、モルドヴァの主権・領土保全を遵守する下、5+2全当事者の条件を統合する必要があるとした。



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ペアルックw。これで何度目の会談だろうか。
よく読むと2019年暖房シーズンのお話で、懸案の2020年以降のガス供給体制についてではないようだ。ロシアがウクライナとの輸送契約を締結しない限り、モルドヴァも沿ドニエストルもガス欠状態に。ウラジーミルがイーゴルと同じ未来を見ているかは不明。
追記)  スロヴァキアで買ってウクライナ経由で輸入する方が ガスプロムの「兄弟」価格より安い。
Sergiy Makogon
9月8日 23:43 ・

При цене в Словакии на ВТП в 165 долларов ≪братская≫ цена Газпрома для Молдовы в 237 долларов должна подтолкнуть правительство Молдовы к определенным выводам.

Простая математика говорит о том, что если б Молдова сейчас покупала газ в Словакии и везла к себе через Украину, то цена на входе была б около 190 долл, что на 20% ниже Газпромовской.

А если из цены отнять транспортировку до Словакии и обратно, то цена на российский газ в Молдове должна быть сейчас около 110-120 долл, что в 2 раза меньше текущей.
posted by 藤森信吉 at 13:59| Comment(0) | モルドヴァ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月06日

ドドン、ドイツ紙で大いに語る

 こちらにドドン大統領のインタビュー記事が掲載されているので簡単に紹介。
 ドドン・モルドヴァ大統領は矛盾の塊である。プーチンを尊敬しているが、EUとの連合協定を維持している。社会主義者だが、伝統的な家族観の堅持といったキリスト教の超保守的立場をとっている。
Q モルドヴァはどこを目指しているのか
ドドン「モルドヴァ社会は非常に分裂している。半分はEU加盟を望み残りの半分はロシアへの接近を望む。しかし皆、脱オリガルヒを望んでいた。このことはロシア、EU、アメリカの国際的なコンセンサスでもあった。社会党はEUとの連合協定の破棄を主張していたが、私は大統領就任後、モルドヴァのバランス外交を提唱した。連合協定を含む国際条約に従うが、その一方でロシアとの関係改善も模索している。
Q モルドヴァのEU加盟の現実性は
ドドン「目下の情勢では加盟できないと思う。EUは新規加盟国の準備ができていない。西バルカン諸国は何年も持っているし、我々はその後方にいる。連合協定を生活水準向上の機会としてとらえるべきだ」
Q モルドヴァのメディアはACUM・社会党の連合を「不自然な連合」と呼んでいるが、長持ちするのか?
ドドン 明言するのは難しい。第一段階では我々は反プラハトニュークで合同した。今は立場の違いが出ているが、合意できれば4年間続くだろう。
Q クリミア併合についてどう思うか。立場をはっきりさせていないが。
ドドン 「モルドヴァ大統領とモルドヴァ政府の立場は91年の独立以来、一貫している。モルドヴァは国際的に承認されたウクライナの国境線を承認している」
Q 沿ドニエストルの再統合は
ドドン 「小さな歩みを重ねて、また市民の日常生活の障害を取り除く努力を行っているが政治的解決の交渉はしていない。しかし、今日、国際社会の親モルドヴァ風潮から、早められると断言できる。ロシアが好むモルドヴァの連邦制、沿ドニエストルが強い自治権を持って特別な立場でモルドヴァ国に含まれる、は大統領府でコンセプトを練り上げており、連合パートナーに提示予定である」
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posted by 藤森信吉 at 12:10| Comment(0) | モルドヴァ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月04日

モルドヴァ議会サイト、ロシア語版追加

 こちらによると、モルドヴァ議会サイトにロシア語版が追加された。
 グレチャヌィ議長はfacebook上で「モルドヴァ議会のサイトはロシア語版が稼働したことでロシア語国民もアクセスする。これは国の全住民に同権を与えているための包括的政策の一環である。2014年の国勢調査によれば約40万人のモルドヴァ国民が、ロシア語を話している、と回答した」と記した。議会サイトは、ルーマニア語、英語、フランス語版もある。モルドヴァ差別撤廃・平等会議は、2018年版報告書内で、議会サイトのロシア語版の欠如の是正を求めていた。
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因みにウクライナ最高会議サイトもロシア語版あり。沿ドニエストル最高会議のサイトはロシア語版と英語版のみ。
posted by 藤森信吉 at 16:30| Comment(0) | モルドヴァ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月22日

ドドン、早くも予約される

 ドドン大統領によると、プーチン大統領から来年の戦勝記念75周年の招待を受けた。
 ドドン大統領は在モルドヴァ・ロシア大使と会談し、プーチン大統領からの2020年5月9日にモスクワで開催される大祖国戦争勝利75周年式典へ公式招待状を受け取った。これに関連し、ロシア国防相、ロシア連邦院副議長が参加する8月25日のキシナウ・ファシズム解放75周年記念についても協議された。
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 ドドンといえば2017年の戦勝記念日にプーチンから急遽呼び出されて駆けつけた前歴がある。
posted by 藤森信吉 at 16:21| Comment(0) | モルドヴァ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月16日

ラヴロフ、コザーク・プランの復活に意欲

 こちらによると、ラヴロフ・ロシア外相はТерритория смысловフォーラムにおいて、ロシアは沿ドニエストルを国家承認することはない、と述べた。
質疑の中で、ラヴロフ外相は「ロシアは沿ドニエストル・モルドヴァ共和国(PMR)を承認していない。ロシアは以下の原則に立った紛争解決を主張している。第一にPMRの特別ステイタスであり、チラスポリとの合意により、モルドヴァ共和国内に含まれる。モルドヴァは主権を維持し、将来、軍事・政治的ブロックに加わらない中立ステイタスを維持する。これらの原則は2000年代初めに『コザーク・プラン』として既に合意されていた。しかしまさに調印の数時間前に、EUが『ロシアの外交的成功につながる』として、当時のモルドヴァ大統領ボローニンにストップをかけてしまった」と発言した。
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 ロシア政府がドドン・モルドヴァ大統領と共同して、沿ドニエストル側に再統合圧力をかける、という構図。沿ドニエストル支持派のプラハトニュークとショールは放逐され、沿ドニエストルは窮地に。
posted by 藤森信吉 at 21:13| Comment(0) | モルドヴァ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月31日

プラハトニューク、議員辞職

 こちらによると、プラハトニューク氏はfacebook上で議員辞職を表明した。
 プラハテニューク氏は、現政権が法律と人事を政治的に運用していると批判、またモスクワが戦略的な人事を奪取して、親ロシア体制が埋め込まれているとして、NATO諸国に対し、モスクワのステート・キャプチャーに刮目するよう呼び掛けた。その上で、斯様な状態では、国家機関で働く意思はなく、また当選した選挙区の有権者に対する義務を果たすことができないため、議員辞職を行ったと明らかにした。
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 プラハトニューク同志はただいま逃亡中だが、家族と一緒にフロリダにいるとかいないとか。盟友ショールはイスラエルに逃亡中。クチマ政権時代を思い出すなあ。ラザレンコ前首相はアメリカに逃亡、ズヴァヒルスキー前首相はイスラエルに逃亡。
posted by 藤森信吉 at 13:45| Comment(0) | モルドヴァ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする