2020年11月24日

ドンバス紛争に関する世論調査

 こちらにドンバス和平に関する世論調査結果が掲載されているので、興味深い点をピックアップ。
・ラズムコフセンターによる世論調査、2020年10月16-22日、クリミアおよびドンバス被占領地域除くウクライナ全土、2021名を対象。
・ゼレンシキー大統領のドンバス和平に関する言動について 肯定的評価37.1%、関心なし10.7%、否定的41.9%、回答困難10.3%
・大統領にとって最も重要な課題は ドンバス和平46.0%、経済43.6%、政権上層部の汚職対策32.0%、コロナ対策26.3%、前政権の汚職対策25.1%(以下略)
・ドンバス紛争とは ウクライナ・ロシア間の紛争64.6%、ウクライナの内戦16.3%、その他5.5%、回答困難13.7%
・(ウクライナ・ロシア間紛争と回答した層で) 紛争におけるロシアの目的は 
 ウクライナのコントロール68.0%、ドンバスのコントロール21.1%、その他3.6%、回答困難7.3%
・ドンバス被占領地域(ОРДЛО)を分離独立させる案
 望ましい4.2%、許容できる18.0%、許容できない60.6%、回答困難17.1%
・ドンバス被占領地域をロシア連邦に編入させる案
 望ましい2.6%、許容できる12.6%、許容できない69.1%、回答困難15.7%
・被占領地域の地位を問う全ウクライナ国民投票を実施すべきか  賛成42.9%、反対40.7%、回答困難16.3%
・ゼレンシキーはプーチンと対話すべきか
 ドンバス停戦のために不可欠44.8%、ウクライナの国益を損なう20.2%、停戦をもたらさないし国益も損なわない19.4%、回答困難15.6%
・被占領地域の住民の雰囲気はどのようなものだと思うか
 ウクライナの一部(特別な地位なしの戦争前の状態)29.5%、ウクライナから分離(独立、ロシア編入)22.2%、特別な地位でウクライナの一部20.4%、回答困難27.9%
・占領地域の状況の情報源は
 ウクライナのテレビ局75.3%、SNS35.3%、ウクライナのネットニュース27.1%、家族、知人、隣人、同僚22.6%、(中略)ロシアのテレビ局5.6%
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 コロナ禍においても、ドンバス和平が最重要、という点が非常に重い。調査は非常に広範囲にわたっているので、興味ある方は是非原典(ウクライナ語だけど)にあたってください。
posted by 藤森信吉 at 23:20| Comment(0) | 世論調査 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月23日

ドンバス・クリミア避難民の4割、故郷に戻るつもりなし

こちらによると、クリミア・ドンバス被占領地域からの避難民の4割は、紛争終結後も故郷に戻るつもりがない、と回答した。
 2020年4-6月、ウクライナ全土の避難民に対する電話インタビュー調査、2401+3708名
・2020年7月時点で、ウクライナ社会政策省の統計によると、ウクライナ全土に1448615人の避難民が登録。
・家族構成 1人25%、2人35%、3人22%、4人以上18%、子持ちの家族は40%、障害者持ちの家族は14%
・近いうちにかつての居住地に戻るつもりがある1%、紛争終結後(після завершення конфлікту)に戻るつもりがある19%、将来的には戻りたい15%、戻るつもりはない39%、回答困難25%
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 大家族だと避難は困難になるので、当然のように避難民の家族構成は少数となる。
「戻らない」と回答している4割は、紛争は終結しない、被占領は解消されない、再統合されても故郷はボロボロなので戻りたくない、といったあたりだろうか。その他、興味深いデータがたくさん掲載されているので是非一読を(ウクライナ語ですが)。
posted by 藤森信吉 at 20:24| Comment(0) | 世論調査 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月22日

ポロシェンコ党、支持率回復中

 こちらによると、ヨーロッパ連帯党の支持率が上がり、大統領与党と拮抗している。
・キエフ国際社会調査研究所(KMIS)、9月12-16日、コンピューター抽出による電話インタビュー調査、2000人。
・9月半ばに大統領選挙が行われた場合、誰に投票するか
・ゼレンシキー(22.2%)、ポロシェンコ13.2%、ボイコ9.3%、ティモシェンコ6.8%、スメシコ(4.8%)、リヤシコ(4.2%)、中略、態度未定(13.1%)、投票に行かない(11.7%)
・態度未定、投票に行かない、を除いた場合、ゼレンシキー31.8%、ポロシェンコ18.9%、ボイコ13.3%、ティモシェンコ9.8%
・9月半ばにウクライナ最高会議選挙があった場合、どの政党に投票するか
・(態度未定、投票に行かないを除いた%)、公僕党21.5%、ヨーロッパ連帯党17.8%、野党プラットフォーム-生活党16.3%、祖国党8.7%、リヤシコ党6.3%、シャリー党4.1%、力と清廉党4%、以下略
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 4月以降の変動で見ると、ゼレンシキー大統領は支持率を10.8ポイント下げ、大統領与党は11.1ポイント下げている。ポロシェンコ/連帯党は微増。来る地方選挙ではどうなりますか。しかし、ポロシェンコ、ボイコ、ティモシェンコは本当に息が長い政治家だ。
 
posted by 藤森信吉 at 13:23| Comment(0) | 世論調査 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月03日

ゼレンシキー人気、さらに降下

 こちらによると、6月の世論調査でゼレンシキー大統領の支持率が不支持率を下回った。
・キエフ国際社会学研究所、6月20-23日、CATI(Computer Assisted Telephone Interviewing)による調査、ウクライナ全土2000人を対象。
・ゼレンシキー大統領の仕事ぶりを評価する 38%(5月 27%)、評価しない45%(同37%)
・閣僚会議の仕事ぶりを評価する23%(24%)、評価しない59%(61%)
・ウクライナ最高会議 評価する21%(22%)、評価しない62%(65%)
・コンディショナリティーを遂行してクレジットを受け取るために目下のIMFとの協力は非常に重要であるのか否か
 目下、IMFと協力して新しいクレジットを受け取る方が良い 24%(32%)、協力せずクレジットも受け取られない61%(46%)、回答困難16%(22%)
・食堂、カフェ、レストランのメニューは
ウクライナ全土でウクライナ語のみ25%、ウクライナ語表示の義務化、過半数の住民の希望でロシア語も追加的に27%
全土でウクライナ語およびロシア語表記40%、ロシア語の義務化、過半数の住民の希望でウクライナ語も追加的に1%





posted by 藤森信吉 at 12:12| Comment(0) | 世論調査 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月23日

ウクライナ世論、ソ連崩壊を肯定

 こちらによると、ウクライナ世論の過半数はソ連崩壊を残念に思っていない。
・キエフ国際社会学研究所による世論調査、5月24-31日、コンピューター抽出による電話インタビュー、ウクライナ全土2000人)
・ソ連の崩壊を残念に思うか
 残念に思う 33.5%、思わない50.1%、回答困難・回答なし16.4%
(levadaセンターの2020年2月のロシア世論調査、残念に思う 65%、思わない26%、9%) 
・ウクライナがソ連の一部であったことは、害より利益をもたらしたと思う
 利益の方が大きかった34.7%、害27.9%、どちらともいえない25.5%、わからない12.0%
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 Levadaセンターのロシア世論調査結果が参照されているが、但し書きがついているのが不穏。
posted by 藤森信吉 at 13:29| Comment(0) | 世論調査 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月07日

ウクライナ世論「ソ連はWWII開戦の責任がある」

こちらによると、ウクライナ世論の56%は「ソ連はドイツとともに第二次世界大戦を始めた責任がある」としている。
・デモクラティック・イニシアチブおよびKMISによる共同調査、4月17-22日、2020名を対象。
・「ソ連はドイツとともに第二次世界大戦を開始した責任があると思うか」
完全に同意37%、どちらかというと同意19.1%、どちらかというと同意しない10.1%、完全に不同意13.6%、回答困難20.2%
西ウクライナでは「完全に同意」と答えた割合が63.2%、南部では50.7%、東部では43.7%だった。また、若い世代と年配(60-69歳、70歳以上)との間にソ連の責任に対する差は10%以下であるが、年配層では回答困難の割合が27.3%と高くなっている。
・「戦勝記念日とは?」
第二次世界大戦における反ヒトラー連合の勝利とウクライナ人民の勝利への貢献32.2%、ソ連人民の大祖国戦争における勝利52.5%
・「5月8日と9日 どちらを祝うべきか」
追悼と和解の日(8日)と対ナチズム勝利の日(9日)どちらも祝うべき 39.1%、9日 32%、8日 14.3%
・UPA戦士をウクライナ独立の闘士とみなすことについて
肯定的44.4%、否定的22.1%、関心なし16.1%、回答困難17.4%
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今年は5月8、9日の式典を行わない、とのこと。


posted by 藤森信吉 at 16:50| Comment(0) | 世論調査 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月14日

コロナ対策でクリチコ市長の人気上昇中

 こちらによると、キエフ市民で自らおよび家族にコロナウィルスの脅威を感じている、と答えた層は53%だった。
・4月4-7日、レイティング社による調査、コンピューター抽出による電話インタビュー、キエフ市住民2020人が対象
・防疫体制導入以前と比べて 以前と同様の労働21%、テレワーク実施22%、自主休業13%、失業3%、もともと無職41%
・マスク着用義務に賛成71%、キエフ当局の地下鉄閉鎖に賛成65%
・キエフ市長クリチコのコロナ対策は効果的だと思う59%、大統領47%、保健相38%、内相38%、首相28%
・キエフ市長の実務に満足している54%(不満足32%)、大統領43%(44%)、首相21%(37%)

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 ゼレンシキー一派からいぢめられていたクリチコ・キエフ市長ですが、支持率上昇で、選挙が実施されれば再選確実とのこと。首相は早くも空気。
posted by 藤森信吉 at 14:12| Comment(0) | 世論調査 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月28日

ゼレンシキー人気、剥げる

こちらによると、ゼレンシキー大統領の支持率が50%を割り込んだ。
 キエフ国際社会調査研究所(KMIS)、2月21-25日、ウクライナ全土、1500人を対象。
・新政権のドンバス和平問題の取り組みについて(カッコ内は前回12月の調査値)
 うまくいっている25%(40%)、うまくいっていない70%(50%)
・政権上層部の汚職問題対策
 うまくいっている12%(17%)、うまくいっていない83%(76%)
・公共料金の値下げ
 うまくいっている14%(18%)、うまくいっていない80%(73%)
・大統領の仕事ぶりを評価する47%(62%)、評価しない40%(25%)



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前大統領のポロシェンコは5月に当選し年明けにドンバスで大敗、フリブナ暴落で支持率を落とした。ゼレンシキーは3月に当選し、どっちもないけどじり貧中。


posted by 藤森信吉 at 10:47| Comment(0) | 世論調査 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月23日

世論のEU・NATO加盟支持、相変わらず高水準

 こちらにウクライナ世論調査の結果が掲載されているので簡単に紹介。
・ラズムコフ・センターおよびデモクラティック・イニシアチブ財団の共同調査、2019年12月13-18日、ウクライナ全土(クリミアおよびドンバス被占領地域除く)、2017名を対象。
・ウクライナが進むべき統合路線は?
EU加盟64.2%、ユーラシア経済同盟12.7%、回答困難23.1%
・ウクライナの安全保障にとって最良の案は?
NATO加盟51.2%、ロシア・その他CIS諸国との軍事同盟5.5%、アメリカとの軍事同盟1.5%、軍事的中立26.1%、その他1.6%、回答困難14.1%
・アイデンティティーは?
 居住地域(州)15.6%、ウクライナ国民74.9%、自らのエスニシティー、民族2.6%、ロシア国民0.3%、旧ソ連国民2.7%、ヨーロッパ市民1.2%、世界市民1.5%、その他0.1%、回答困難1.0%
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「軍事的中立」の支持率が未だに高いのが驚き。中立国を標榜していたのは独立後10年間だけだし、教化も強くなかったはずだが。
posted by 藤森信吉 at 16:54| Comment(0) | 世論調査 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月28日

ゼレンシキー人気、急落中

  キエフ社会学国際研究所(КМІС )の世論調査によると、ゼレンシキー大統領の支持率は10月の66%から52%に低下した。

・キエフ社会学国際研究所の調査、2019年11月22-25日、ウクライナ全土1500人を対象。
・政治家の評価
 ゼレンシキー 肯定的に評価52%、中立的28%、否定的19%
 肯定的評価は9月73%、10月66%から連続して低下。
・新政権(大統領、閣僚会議、議会、治安機関)は以下の問題に対し どのように対処していると思うか
 ドンバス紛争の解決 非常に上手く対処している3%、どちらかというと上手く対処37%、どちらかというと失敗30%、全くダメ21%、不明9%
政府高官の汚職問題 非常に上手く対処2%、どちらかというと上手く対処20%、どちらかというとダメ30%、全くダメ40%、不明8%
 公共料金の値下げ  非常に上手く対処1%、どちらかというと上手く対処15%、どちらかというとダメ36%、全くダメ39%、不明9%
 天然ガス問題(ウクライナへの供給、ウクライナ経由の輸送) 3%、25%、30%、16%、26%
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国民の二大関心事であるドンバス紛争と公共料金引き下げを解決していないので、剥げるのは時間の問題かと。というか、この問題は誰が大統領でも解決できません。大統領に次ぐ肯定的評価を得ている野党リーダーはバカルチューク23%とボイコ23%、そしてティモシェンコ20%。
posted by 藤森信吉 at 20:41| Comment(0) | 世論調査 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする