2018年06月08日

前沿ドニエストル中銀総裁、実刑判決

 こちらによると、コソフスキー前沿ドニエストル中銀総裁が自由剥奪3年の実刑判決を受けた。リャンカ副総裁は同2年の判決を受けた。
 2016年6月の外貨不足時、コソフスキー、リャンカと中銀幹部は、シェフチューク前大統領令のもと、非合法な決定を採択した。外貨オークションにおいて彼らは限られた企業-モルドヴァ出身者が創設した「3 Star」に売却した。
 この措置により、燃料不足は深刻化し、沿ドニエストルの企業はレイのみを売却するという中銀決定を知らされておらず、彼らに外貨はいきわたらなかった。多くの企業は影響を蒙り、対外契約による商業レートでのみ外貨を購入するだけとなった。オークションにおける人為的な外貨不足は輸入食料不足をもたらした。
--------
 外貨不足時、沿ドニエストル中銀が恣意的な割り当てを行い、権力に近い「ビジネスマン」が中銀レートで外貨を獲得、他はより不利な市場レートで外貨を購入せざるを得ず、燃料や食料輸入に支障が出た、とのこと。経済史的に表現すれば「ドルの天井」。
posted by 藤森信吉 at 11:51| Comment(0) | その他旧ソ連共和国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月30日

中国投資家、沿ドニエストルでのマイニングに関心

 こちらによると、中国のマイニング業界代表団が沿ドニエストルを訪問した。
 沿ドニエストル側のマルティノフ首相は、採択された「ブロックチェーン技術促進法」採択に触れ、就職口の確保のためにビットコイン投資誘致に積極的に取り組んでいると述べ、特に既存のエネルギー部門の稼働率を高める産業に関心を抱いている、とした。
 中国側のRichard Lin氏は協力体制に感謝の意を表し、今年2月に沿ドニエストルの投資促進法を知り、マイニングのみならず他の分野でも長期的な協力体制を発展させる計画があると述べた。
--------
沿ドニエストル首相曰く「沿ドニエストル領におけるマイニングの条件は他の如何なる国より好適である」
しかし、キリル文字表記なので、上記の中国人投資家がどの程度の大物なのかさっぱり分かりません。首相、副首相、経済発展相の3名が応対するあたりに、沿ドニエストル側の必死さが伝わってきますが。
posted by 藤森信吉 at 15:44| Comment(0) | その他旧ソ連共和国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月28日

MMZ、こっそりウクライナの制裁リスト入り

 こちらによると沿ドニエストルのモルドヴァ冶金工場(MMZ)がウクライナの制裁リストに記載された。
 ウクライナ大統領令126号によると、MMZに対する制裁期間は3年で資産のブロック、通商の制限、ウクライナからの資本移動の禁止等が課せられる。
 オレクサンドル・カレンコフ・ウクライナ冶金産業連合長はインタビューにおいて、屑鉄の沿ドニエストル禁輸を主張していた。カレンコフ氏は「これは今日中に解決すべき政治的な問題である。多くの戦略物資が非承認国家に運ばれ、加工され、我々と競合する市場に送られている。沿ドニエストル企業は、全面的な補助-ガス、電力の元で生産している。屑鉄の沿ドニエストル輸出は許容し難い。対ロ輸出商品制限リストを作るのであれば、これは対沿ドニエストルについても意味を持つことになる」と述べていた。
ウクライナの1-4月期統計によると、ウクライナの屑鉄輸出高は前年比5.2倍の7260万ドルに達しており、78.4%がモルドヴァ(=MMZ)、20.35%がトルコ、0.72%がオランダであった。


posted by 藤森信吉 at 07:21| Comment(0) | その他旧ソ連共和国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月25日

モルドヴァの貨物 モルドヴァの貨物輸送、ウクライナ通過料免除

 モルドヴァ閣僚会議によると、モルドヴァ・ウクライナ間の陸上・航空輸送の自由化が承認された。
 議定書によると、国際輸送および二国間輸送は、EURO II排ガス規制以上に適合する車輌の場合、国際輸送の許可書なしに自由体制で輸送を行える。以前は、許可書発行に8-12ユーロの手数料が必要だった。
 これにより、両国の国際輸送が発展し、モルドヴァ輸送者の市場機会が拡大すると見込まれている。2017年、ウクライナは55700件の輸送許可書を発給したが、これはモルドヴァのトラック輸送の80%はウクライナ領経由であることを示している。輸送自由化の二国間文書は、4月12日のキエフ安全保障フォーラム時に両国首相間で調印された。
ラベル:モルドヴァ
posted by 藤森信吉 at 11:09| Comment(0) | その他旧ソ連共和国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月22日

沿ドニエストル工業、大回復中

 こちらによると、沿ドニエストルの1-4月の工業生産高の成長率は前年同期比43%(沿ドニエストルルーブル建)だった。 
 鉄鋼生産高は2.6倍になった。特に粗鋼生産量は6万5900トンから19万1900トンに伸びた。発電量は16.2%増の1465.3百万kW/h、軽工業生産高は15.3%増、食品生産高は26.3%増を記録した。

posted by 藤森信吉 at 11:01| Comment(0) | その他旧ソ連共和国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月15日

モルドヴァ、ユーラシア経済同盟にオブザーパー参加

 こちらによると、モルドヴァのオブザーバー資格が承認された。プーチン大統領は、ユーラシア経済同盟サミットにおいて、「会議に参加されているドドン大統領を歓迎したい。モルドヴァは、オブザーバー国として、本組織の統合に積極的に参加することになる。他のCIS諸国にも参加を呼び掛けたい」と述べた。
 ドドン大統領は席上、「CIS圏内の新たな統合計画に参加することはモルドヴァ国民の長年の希望だった。ここ数年で何千もの署名が集められ、ガガウスでは地域レベルの住民投票が行われた。何年か前には国民投票実施も検討された。オブザーバー資格は貿易、農業、工業その他分野での協力をもたらす。ユーラシア経済同盟加盟国との経済的相互作用の活発化を我々は志向している。2013-16年にモルドヴァの対ユーラシア経済同盟輸出は2倍に、輸入は1.6倍になった。モルドヴァの国益は、国民の多数から支持されているように、CIS、ユーラシア経済同盟内の伝統的なパートナーとの協力にある。オブザーバー資格を最大限に活かしたい」と述べた。
-----
 ガガウスの住民投票をこっそり認めてますな。
ラベル:モルドヴァ
posted by 藤森信吉 at 11:40| Comment(0) | その他旧ソ連共和国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月28日

MMZ、アメリカの鉄鋼関税で打撃

 こちらによると、モルドヴァ冶金工場(MMZ)はアメリカの追加関税によって影響を受けている。
 MMZ工場長は「トルコ企業に追加関税が適用された後、トルコ鉄鋼製品はヨーロッパ市場に向けられている。ルーマニアは我々の主たる消費者であり、供給増加によって単価が下落している」と述べた。4月には、トン当たり50ドルの下げとなっている。主たるリスクは、追加関税がいつまで継続し、EUがどのような対抗措置を取るのか不明なことにある。当初の計画では2018年は65万トンの完成品を生産することになっており、これは2017年の46万トンの1.5倍である。
--------
 MMZは沿ドニエストル側に立地しています、念のため。
posted by 藤森信吉 at 10:42| Comment(0) | その他旧ソ連共和国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月27日

ドドン、ロシア軍平和維持部隊の駐留を支持

 こちらによると、25日、ベンデルにおいて、モルドヴァ・沿ドニエストル両大統領が会談を行った。
 ドドン大統領は、沿ドニエストルにおけるロシア部隊の平和維持活動の再編について、「我々は、外国勢力が主張するところの平和維持活動の再編成について反対する」とfacebook上で述べた。ドドン大統領は、会談において、ドニエストルにおける平和維持活動をとりまく情勢について協議した、平和維持活動は国民の平和と安全の守護者であり、政治的逮捕の重要な要素である」と強調した。モルドヴァでは内閣および議会が、平和維持活動の編成の変更を要求している。

---------
南北朝鮮会談とタイミングがぶつかって、すっかり影が薄くなってしまいました。映像を見ると、モルドヴァ代表団、ネームプレートも使用言語も全てロシア語というのはいかがなものかと。
 
posted by 藤森信吉 at 13:59| Comment(0) | その他旧ソ連共和国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月21日

モルドヴァ、沿ドニエストル輸入企業に対し通関手数料の徴収を開始

 こちらによると、モルドァ通関当局が沿ドニエストル企業の通関手数料の徴収を開始した。
 クチュルガン出入国ポイントにおいて、沿ドニエストル企業は通関処理手数料として60米ドルを支払わなければならない。斯様な手数料は沿ドニエストルでは175ルーブリである。沿ドニエストル大統領は、OSCE代表団との会談において、沿ドニエストルの経済安保に対する脅威である、と表明していた。5月からは個人企業に対しても徴収が開始され、個人・法人とにも申告価格1000ドル以下は申告の対象外となる。沿ドニエストル内の5万人あまりの小企業従業者の脅威となる。クチュルガン通関ポイント単独の稼働で沿ドニエストルが蒙る直接損害額は年4000万ドルで、共和国GDPの6%に達する。この件で沿ドニエストルは戦略パートナーであるロシアとの対話を強化している。

---------
沿ドニエストルは輸出だけでなく輸入に関してもモルドヴァ通関に完全にコントロールされることに。2006年に開始された通関戦争はモルドヴァの完全勝利。
posted by 藤森信吉 at 21:17| Comment(0) | その他旧ソ連共和国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月01日

滅びゆくモルドヴァ人

 こちらに、モルドヴァの人口問題が議論されているので簡単に紹介。
 モルドヴァの人口動態は危機的である。国外に移民し、出生率も低下している。国勢調査によれば2004年には338万人であったが、2014年には290万人となっている。合計特殊出生率は1.6であり、平均寿命はEU諸国平均より10-13歳低い。男性は64.9歳、女性は73.7歳である。年間4万人が死亡しているが、内1万人は老齢に達する前に死去している。
 人口危機の最大の原因は、移民である。2015年だけで2.3万人が国外移住した。2008年は4.7万人が移住した。今日のテンポは2004-2006年期のレベルである。移民は25-45歳に集中しており、代替困難である。モルドヴァの社会経済情勢が関係しており、キシナウやバルツィは国内からの移住者を受け入れている。辺境の人々は、首都に行くか、国外に行くかしかない。2035年までのシナリオは3つある。
1.現在の出生率と移民が継続する。2035年に人口は200万人になる。
2.合計特殊出生率は1.85に上昇し、寿命も3-5歳に伸びる。国外移民は半数になる。この場合、人口は230万人になる。
3.出生率は2.1、寿命は6-7歳延び、国外移民はゼロになる。この場合、人口は250万人になる。

 どのシナリオにせよ、60歳以上の人口比率は段階的に増加する。出生率の改善は現況では不可能であり、人口減少は避けられず、この過程を緩和させることしかできない。
 
ラベル:モルドヴァ
posted by 藤森信吉 at 15:29| Comment(0) | その他旧ソ連共和国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする