2017年09月05日

ウクライナ上8月ガス統計

 ウクルトランスハス社が上8か月ガス統計を公表したので簡単に紹介。
・ヨーロッパ向けガス輸送量 619.5億m3(前年同期比23.4%増) 2011年以来の最大値
・EU諸国からのガス輸入量 95億m3(95.8%増) 内71億m3スロヴァキア経由、15億m3ハンガリー、8億m3ポーランド
・備蓄レベル 148億m3(18.4%増)
・ガス生産量 138億m3(3%増)
・国内消費量179億m3(マイナス0.5%)
http://utg.ua/img/news/2017/09/8m-2017.jpg
-------
 尋常でない輸送量の増加率、まさに燃え尽きる前のロウソク。

posted by 藤森信吉 at 13:57| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ディーゼルの独占供給体制、崩れる

 こちらによると、SOCARウクライナ社は、ガスプロムの子会社からディーゼル燃料輸入を開始した。
 SOCARウクライナ社は、ガスプロム・ネフチェヒム・サルヴァト社製のディーゼル燃料をLVK Cntre Ltd(イギリス)経由で購入し、ウクライナ市場に供給する。9月4日時点では700トンを輸入している。「この契約はディーゼル燃料の供給源多元化とウクライナ市場における独占解体をもたらす。農業、輸送、重工業といった国家構成部門の市場に追加的な供給が行われる」とSOCAR社は述べている。
 2016年以降、ウクライナのディーゼル燃料はロスネフチが唯一の供給者であり、全てProton Energy(スイス)経由で輸入されてきた。
 ガスプロム・ネフチェヒム・サルヴァト社はガスプロムの子会社(100%マイナス1株)である。SOCARウクライナ社は、ウクライナに50のガソリンスタンド網を持っており、アゼルバイジャン国有SOCAR社の傘下にある。
---------
 LPGだけでなく、ディーゼルも利権が渦巻く世界というのが分かる。というか、どっちらもメドヴェドチューク案件。ウクライナ危機とかロシアの侵略とか言っているけど、ロシアとの商売で儲けている方々は健在な訳だ。というか、結局はプーチン案件じゃないの?
posted by 藤森信吉 at 13:19| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月02日

アフメトフ、エネルゴ株をまたまた買い増し

 こちらによると、アフメトフが所有するSCM社の傘下Ornex社は、ドニプロエネルゴ株25%、ドニプロオブルエネルゴ株25%をそれぞれ買い入れた。
 国有財産基金が保有するドニプロエネルゴ株25%に対し7億2824万フリブナ、ドニプロオブルエネルゴ株25%に対しては10億468万フリブナを支払ったが、これは入札開始価格の2.05倍であった。
DTEK社は既にドニプロエネルゴ株の73.54%、ドニプロオブルエネルゴ株の51.66%を保有している。
Ornex社は3つのエネルゴ(ドネツィクオブルエネルゴ、ザヒドエネルゴ、キエフエネルゴ)の株も買い増している。
------
 以前に紹介した記事に続く第二弾。これで安心の株式保有率75%超。しかしアフメトフ、資金はどこから湧いてくるのだろうか。
 
posted by 藤森信吉 at 01:04| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月01日

ポロシェンコ、LPGの脱ロシアを宣言

 こちらによると、大統領は、LPGの脱ロシアを呼び掛けた。
 ガソリンスタンドで、LPG価格が高騰していることに関し、大統領は、「ハイブリット戦争の観点から、LPGの主たる供給者はロシアであるため、天然ガス同様に供給停止やら制限が生じうる」と指摘し、「その分を国内生産に切り替えるよう、政府と協議した。関係省庁や生産者に然るべき指導が行われる」と述べた。
------
 こちらの分析によると、
・LPGは安いので年々、需要が増加している。
・ロシアからの供給が制限されている。ベラルーシ産は供給力が小さく、カザフスタン産は輸送費がかさむ。
・その他、ボーランド、ラトビア、エジプト、ルーマニアも供給者であり、ミコラエフ港から輸入を開始している。
・ウクライナのLPG輸送・備蓄インフラは不十分
・世界市場価格・為替レートの安定、バランスのとれた税制が、価格安定の条件

 ところでLPGの輸入利権を握っているのは誰でしたっけ? メドヴェドチューク? クチェレンコ? ポロシェンコ?
posted by 藤森信吉 at 01:40| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月25日

ロシア、人民共和国炭の迂回輸出を認める

 こちらによると、ロシア・エネルギー省は、人民共和国の石炭がロシアを経由して輸出されていることを認めた。
 ヤノフスキー・エネルギー省次官は「ドンバスの石炭はロシアに供給され、ノヴォチェルカスカヤ発電所で利用される。大部分はロシア領を経由して輸出に回される」と述べた。しかし具体的な量については言及しなかった。
 ウクライナは2017年1月末に鉄道輸送を封鎖し、親ロシア分離主義者との通商を停止したため、現地の炭鉱は販売先をウクライナからロシアに変更した。ノヴォチェルカスカヤ火力発電所はガスプロム傘下にあり、年300万トンの石炭を消費している。ウクライナのDTEK社は2014年以前に数年間、同発電所に石炭を供給していたことがある。ガスプロム・エネルゴ・ホールディング社は、現在、同社が持ちている石炭は全てロシア産である、としている。
posted by 藤森信吉 at 13:55| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月23日

ロシア「ウクライナのアメリカ炭輸入は単なるシンボル」

 こちらによると、アメリカからの石炭がウクライナに到着した。9月初には消費者に届く予定である。
 これに関し、ロシアの独立炭鉱夫労組副議長は、アメリカからの対ウクライナ供給量は年末までに70万トンであり、他方ロシアは2016年に3億8540万トンを採掘しており、何の脅威にもならない、と述べた。また、格付け会社АКРА代表は「ウクライナ政府は舶来の石炭にご機嫌だが、価格と質の面でアメリカ炭は主要な供給源とはならない、量も少なくて、政治的とすらいえまい。ロシアからの無煙炭価格は5500ルーブリ水準(100ドル以下)であるが、輸送費を考慮すると15ドル追加になる。ロシアからの供給はDTEK社経由で続いている」と述べた。
 また、こちらによると、ヤノフスキー・ロシア・エネルギー次官は「アメリカ炭によってロシア炭の輸入量が減ることはない、我々はウクライナにコークス炭を輸出し、無煙炭はDNR・LNRから、断交後は他国が補っている。我々は無煙炭を供給したことはない」と述べた。
--------
ロシア次官のコメントは公式立場? ロシアの通関統計でも、無煙炭の対ウクライナ輸出が記録されているのだが。
posted by 藤森信吉 at 13:53| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月22日

Westinghouse社のシェア、上昇

 こちらによると、2017年1-6月期、ウクライナは2億1280万7900ドル相当の核燃料を輸入した。
 内ロシアTVEL製が1.3億ドル(61%)、スウェーデンWestinghouse製が8273万ドル(39%)であった。
Westinghouse Electric Company社によると、同社は2017年から2020年にわたり、毎年核燃料集合体を6器ずつ納入予定である。
2016年、ウクライナは5.488096億ドルの核燃料を輸入し、内ロシア製は3.86782億ドル、スウェーデン製は1.62276億ドルであった。
----------
ウクライナ政府が推進する対ロ・エネルギー依存の解消がついに核燃料にも波及。かつては独占状態にあったTVELのシェアがジワジワと減らされている。というか、天然ガスだけが例外で、実はウクライナ・ロシア両国はエネルギー問題で揉めていないんだよね。核燃料も、マイダン直後の治安悪化時を除けば、計画通りにロシアから納入されている。
posted by 藤森信吉 at 00:31| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月19日

アフメトフ、エネルゴ株を買い増し

 こちらによると、SCM社はザヒドエネルゴとキエフエネルゴの株式の落札に成功した。
 SCM社の子会社オルネックス社は、ウクライナ国有財産基金が所有するザヒドエネルゴの株式25%およびキエフエネルゴの株式25%の落札に成功した。落札価格はそれぞれ4億1716万フリブナおよび7億5963万フリブナであった。
 同社は16日にもドネツィクオブルエネルゴの株式25%を1億4381万フリブナで落札している。
SKM社の株式100%はアフメトフが所有している。
 これまで、アフメトフ氏はDTEK社およびその他関連企業を通じて、ザヒドエネルゴ株の70.91%、キエフエネルゴの72.39%、ドネツィクオブルエネルゴの71.5%を所有していた。
-------
 エネルゴ(電力供給会社、傘下に発電所)の株式を買い増しして、誰かに支配株率(25%)を持たれるのを防ぐ作戦。ドンバスは死んでもアフメトフは未だ死なず。
posted by 藤森信吉 at 12:47| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月15日

コークス生産激減

 こちらによると、1-7月期のコークス生産は前年同期比でマイナス21.4%だった。
 コークス企業合同ウクルコークスによると、冶金産業は生産を増やしており、ドニプロ・金属コンビナート(DMK)は操業を再開したため、コークス需要が高まっている。アブジイフカ・コークス工場は最大稼働体制に入り、ユーラス・ユジコークスも同様に生産を増やしている。
 他方で石炭については十分でなく、アメリカ、ロシアから輸入し、一部はカザフスタンからもたらされている。ウクライナ炭と輸入炭の比率は26-28% 対 74-72%である。
-------
 ウクライナ支配領域のコークス工場が生産を落としているのは、人民共和国炭が入らなくなったせいだが、それに加えて鉄鋼需要が低迷していたため、とも読める。
こちらに表が出ているが、"Алчевсккокс"(ウクライナ側の立地)が生産量をやたらに落としている。人民共和国側に立地しているコークス工場も悉く生産量を落としているところを見ると、2017年3月からのドンバス経済封鎖はどちらも幸せにしていないようだ。
posted by 藤森信吉 at 12:53| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月11日

ウクライナ政府委員会、「2035年までのエネルギー戦略」を承認

 こちらによると、経済・財政・立法問題政府委員会は「2035年までのウクライナ・エネルギー戦略」を承認した。
 本戦略は、今後、内閣で審議される。ウクライナ・エネルギー石炭省は6月に「2035年までのウクライナ・エネルギー戦略計画『安全保障・効率・競争』」を承認していた。策定者によると、ウクライナは、ガスインフラをヨーロッパと統合し、中欧の供給安保システムに組み入れられる必要がある、としている。また、ウクライナは、ガス輸送の受け取り・受け渡しを西部国境から東部へ転換しなければならず、ウクライナ・EU・ロシアの三者協議によって達成される、2019年後にロシア・ガスの輸送地位を維持できるかは不明である、としている。
-------
全文はこちら(未読)
http://mpe.kmu.gov.ua/minugol/doccatalog/document?id=245213112
posted by 藤森信吉 at 19:29| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする