2016年12月10日

三者ガス協議、合意に至らず

 こちらによると、ブリュッセルで行われていた三者ガス協議は合意を得られないまま終了した。
 コボレフ・ナフトガス社長は「残念ながら合意には至らなかった。追加的契約に調印することはできなかった。今後の交渉に期待したい」と述べた。また、facebook上において、ウクライナ領を経由するロシアガスのEUへの輸送を100%履行する、と改めて表明した。
 ノヴァーク・ロシア・エネルギー相は、現在有効な2009年契約下でウクライナにガスを供給する用意がある、と表明した。
 また、欧州委員会はコミュニケを発表、ロシアからEUへのガス輸送が確約された、三者協議はその有効性を示した、と自賛した。
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取りあえず、2016年度のロシア・ガス輸入ゼロは達成されそうです。イヤーメデタイ
posted by 藤森信吉 at 14:55| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月09日

ガスプロム、独禁法違反金の取り下げを要求

 こちらによると、ブリュッセルで三者ガス会談が行われている。
 ロシア・ガスの購入再開に際し、ウクライナ側は take or pay条項の不適用を要求し、ウクライナ領でのガス輸送を憂慮する欧州委員会もこの条件を支持している。ウクライナの地下ガス貯蔵庫の残高は132.5億m3で10-11月期の汲み出し量は三年より35%も多く、1-2月に技術的限界を超える可能性が出てきた。そのため、15-40億m3をガスプロムから購入する可能性が生じてきた。
 一方、ロシア側は、ウクライナ公正取引委員会がガスプロムに科した独禁法違反金64億ドルの取り下げを求めている。両者が合意に至らなければ、次の協議は冬季シーズン末、すなわちストックホルム仲裁の決定が明らかになる頃になる。また、ウクライナの地下ガス貯蔵庫の残高は減っているため、ガスプロムは強い立場で臨めることになる。



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 EUからのリバース輸入ではウクライナ東部や中部にあるガス貯蔵庫まで輸送できない、ということなのだろうか。
 あと個人的には大注目のストックホルム仲裁の決定、2017年3月頃とか。ナフトガスもガスプロムもお互い支払い不可能な額を請求している。
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2016年12月07日

ナフトガス、条件付きでガスプロムから購入の用意

 こちらによると、ナフトガスは条件付きでガスプロムからの輸入再開に意欲を示した。
 コボレフ・ナイトガス・ウクライナ社長は、12/9のブリュッセル三者会談(EU、ウクライナ、ロシア)を前にして、冬季におけるガスプロムからの購入再開の条件を挙げた。
1.ガス価格
2.take or payの不適用
3. ОРДЛО(両人民共和国)領への供給分は支払わない
 
 「過去二度の冬は、この目的にそって追加契約が結ばれた。『前払いした分だけ受け取る』原則である。
ガスは我々に供給された分のみであり、ドネツィク、ルハンシク州供給分を含まない。ガスプロムは、我々がコントロールできない地域に供給している。この問題が解決されたときにガスプロムから購入できる」とコボレフ社長は述べた。

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2016年11月28日

ベラルーシ、ウクライナの石油製品市場を席捲

 こちらによると、ウクライナにおけるベラルーシ製燃料のシェアが急増している。
  キエフにおいて行われたコンファレンス Petroleum Ukraine 2016 において、ウクライナ石油製品市場における供給源の変化が注目を集めた。以下、数字のみをピックアップ。
・ガソリン消費量は2016/2013年比でマイナス40%、本年度は前年比マイナス7.2%を予測。
・液化石油ガスは2016/2013年比で64%増で、今年度はガソリンの販売量(リットル)を上回ると予測。
 これはガソリンに比べ液化石油ガスの価格が安いためである。
・ディーゼル燃料の消費量は2016/2013年比でマイナス5%
・経済が回復しても以前のレベルまで燃料消費量が回復することはない。燃費の良い車やヨーロッパ的な公共交通機関の利用、あるいは相乗りの増加が理由である。
・ベラルーシはディーゼル燃料市場の48%、ガソリン市場の54%を支配。
 供給不足の隙間をベラルーシが埋めた形だが、来年度はロシアの輸出品やウクライナ製品との競争が激化するため、このシェアは維持できないと予測されている。



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 シェアのグラフを見ると、ウクライナの製油所はクレメンチュークとシェベリンスキー以外、ロクに稼働していないようだ。
* 10年前にウクライナの製油所について書いた拙稿はこちら
posted by 藤森信吉 at 14:04| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月27日

祝! ロシアからのガス独立壱周年

 ナフトハス・ウクライナ社によると、同社がロシアからの天然ガス輸入を停止してちょうど一年が経過した。2015年11月26日〜2016年11月25日、ロシアからの輸入量はゼロであり、EUからのリバース輸入量は107億m3に達している。
 これは独立ウクライナにとって重要なシンボルである。3年前、ウクライナは政治的経済的にロシアに従属していたが、その後、ウクライナは一国依存から脱却し、今やガス外交は有効ではなくなっている。
 その一方で、ナフトハス社は、2つの基準、すなわち競争価格と安定供給の元で、以前の「冬季パケット」で定められたような条件でロシア・ガスの供給を受けることに吝かでない、としている。
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 いつの間にかナフトハス社のプレスリリースは英語オンリーになっていた。 
それでは、ここで、ロシアガスとウクライナの関係を歌った一曲をどうぞ。
With or without you
With or without you
I can't live with or without you
And you give yourself away
And you give yourself away
And you give, and you give
And you give yourself away
posted by 藤森信吉 at 11:30| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月23日

ポーランド、OPALに脅威

 こちらによると、ポーランド外相はOPALに懸念を表明した。
 ヴァシチコフスキ外相はonet.plとのインタビューに答えて
「ロシアはノルド2を必要としていない。OPALがあることでまだ余剰があるノルド1のみでガス輸送を増やせる。OPALがガスプロムによって使用されると、ポーランド経由のヤマルパイプラインは意味を失う。我々が、ロシアがOPAL乗っ取りを阻止しようとする所為だ。OPALで南ヨーロッパにガス輸送できるから、ロシアにとって、サウスストリームも不要となろう。さらに、OPALは、ノルウェーLNGをポーランドのLNG受け入れ基地から輸入し南ヨーロッパに送ったり、また南ヨーロッパ向けノルウェー・ガスパイプライン建設計画とも競合する」と述べた。

posted by 藤森信吉 at 01:51| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月16日

ウクライナ最高会議、EUにウクライナ迂回ルート建設停止を懇願

 こちらによると、ウクライナ最高会議は「エネルギー安保分野における協力深化およびウクライナ迂回ルートガスパイプライン建設計画の潜在的リスクに関するEU加盟国議会、政府に対する呼びかけ決議」を採択した。
 決議は、EUの供給源多元化というエネルギー戦略に矛盾し、EU・ウクライナのエネルギー安保の脅威となるようなウクライナ迂回ガスパイプライン建設という政治的動機による計画の実現を許容してはならない、と欧州議会、欧州委員会およびEU加盟国議会・政府に呼び掛けている。
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 自国安全保障をヨーロッパ化させるウクライナの外交政策はコケつつあるようです。因みに野党連合党からの賛成票はゼロ。フィルターシ経由でガスプロムから指示でもあったのか?
posted by 藤森信吉 at 21:46| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月12日

ポロシェンコ、ガスプロムのOPAL利用に懸念表明

 こちらによると、ポロシェンコ大統領はヨハンネス・ハーン欧州委員会委員と電話会談を行い、ガスプロムのOPAL利用許可に懸念を伝えた。
 大統領は、ガスプロムがOpalガスパイプラインを利用できるとの欧州委員会決定は、ウクライナ・EU連合協定の精神に反する、と指摘した。
 またウクライナ外務省は、ウクライナ・EU連合協定274条およびエネルギー共同体内のEUの義務に反する、と指摘した。
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274条はこちら。
Cooperation on infrastructure
The Parties shall endeavour to facilitate the use of gas transmission infrastructure and gas storage facilities and shall consult or coordinate, as appropriate, with each other on infrastructure developments. The Parties shall cooperate on matters related to trade in natural gas, sustainability and security of supply.
With a view to further integrate markets of energy goods, each Party shall take into account the energy networks and capacities of the other Party when developing policy documents regarding demand and supply scenarios, interconnections, energy strategies and infrastructure development plans.
posted by 藤森信吉 at 13:56| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月04日

ウクライナ、シェールガス生産を開始

 こちらによると、ウクライナの国営企業ウクルハスヴィドブバンニャは10月に水圧破砕法によるシェールガスの生産を開始した。
 ナフトハス・ウクライナ社のコボリョフ社長がブルムバーグとのインタビュー内で明かしたもので、ヨーロッパのパートナーとの協力により最初の井戸が建てられた。コボリョフ社長によると、ウクライナには多数のシォールガスがあり、自給を達成するために年間200から270億m3増産する。ウクライナにはシェールガス生産のノウハウはないため、国外パートナーとの共同作業を行うことになる。
 アメリカのEIAによる、ウクライナは128兆m3のシェールガスが埋蔵されており、ヨーロッパ第四位である。BP統計によれば、2015年度のウクライナのガス産出量は174億m3で過去10年間で最低であった。シェブロンやシェルは、ロシアとの紛争激化により撤退している。
 またコボリョフ氏は欧州委員会が10月28日にガスプロムがドイツ内OPALパイプラインの90%までを利用可能とした決定にショックを受けていると述べた。本決定により、ガスプロムはOPAL輸送力の40%を利用することで、ウクライナは年135-145億m3の輸送量を失い、最大で4億2500万ドルの輸送収入を失うとウクライナは試算していた。
posted by 藤森信吉 at 12:24| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月29日

ガス市場にフランス企業参入

 こちらによると、フランス企業Engie社はウクライナ市場にガスを供給する。
 フランスのエネルギー企業Engie社はパイプライン・オペレーター企業ウクルトランスハス社との間で輸送および貯蔵に関する契約に調印した。これにより、Engie社はウクライナの地域消費者に直接ガスを供給することが可能となる。
 コボリョフ・ナフトハス社長は「斯様なヨーロッパ企業がウクライナ市場に参入することは、良い先例になる」と述べた。2015年度、Engie社はウクライナに、主としてナフトハス社に35億m3のガスを供給している。同社はウクライナに子会社を開いている。
posted by 藤森信吉 at 17:45| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする