2018年03月03日

ガスプロム、ウクライナとの契約終了へ動く

 こちらによると、ガスプロム社はウクライナとのガス供給・輸送契約の終了に動き出した。
 ミレルCEOは、「ストックホルム仲裁において、ガスプロムはナフトガス・ウクライナ社とのガス供給・輸送契約の終了を迅速に開始する必要に迫られた」と述べた。ストックホルム仲裁の決定は、現行契約における両者の利益のバランスを損なっているとしており、斯様な状況下では、ガスプロムにとって契約の継続は経済的に不適切で不利益である、とした。
 またこちらによると、メドヴェージェフ・ガスプロム副CEOは、ナフトガス・ウクライナ社から入金された3月期のガス供給の前払金を返還した、と述べた。
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供給はともかく、輸送に関しても契約終了に動く、ということですかね。2009年契約は名実ともに破棄、ということに。

posted by 藤森信吉 at 17:59| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月02日

ガスプロム、逆ギレ

 こちらによると、コボレフ・ナフトガス・ウクライナ社長はテレビ局5チャンネルとのインタビューにおいて、「ガスプロムは、ナフトガス・ウクライナへのガス供給について、前払い金に関連付けて拒否しているが、これは、2018年度のtake or payの権利を自ら放棄しているということになる」と述べた。
 3月のロシア・ガス供給再開の可能性については「我々の理解は極めて単純だ。ガスプロムが決めていない。第一にストックホルム裁定で見直された契約義務をはたしていない。自動的にtake or payをウクライナに要求できないことを意味する。このことでガスプロムは潜在的に10億ドルの商機を逸していることになる。我々は40億m3のガスを買う義務はなく、これは我々の問題ではなくガスプロムが契約に反していることによる」と述べた。
 28日のストックホルム仲裁の決定により、ガスプロムは25億6000万ドルをナフトガス・ウクライナ社に支払わねばならず、3月1日から、52万6000ドル/日の利子が加えられる。しかしながら、ガスプロム社はストックホルム裁定に同意していない。
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 2009年契約内で係争問題はストックホルム仲裁で解決、と書かれているのだが、その決定を拒否、というのはいかがなものか。まあそのうち入金しそうですが。
posted by 藤森信吉 at 13:34| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月01日

ウクライナ、ガスプロムに歴史的2連勝!!

 こちらによると、ストックホルム仲裁は、ガス輸送契約に関し、ガスプロム社に支払いを命じた。
 ストックホルム商業仲裁は、係争問題の大部分でナフトガス・ウクライナ側に有利な裁定を下した。
・ガスプロム社は規定輸送量を果たさなかったことにより46.3億ドルの損失を与えた。
・ガスプロムはナフトガス・ウクライナ社が2014-15のガス代残金を支払ったのち、25.6億ドルをウクライナ側に支払わなければならない。
 コボリョフ・ナフトガス・ウクライナ社長は、「ウクライナ人民および欧州ガス市場の将来にとって重要な日となった、支払金はウクライナ国内のガス増産およびウクライナ消費者のエネルギー効率向上に投資され、供給安全の向上とエネルギー余剰をもたらす」と述べた。
 また、ポロシェンコ大統領は、ナフトガス・ウクライナ経営陣と会談し、ストックホルム裁定は「ウクライナの国益・財政利益を守る歴史的決定である、真の勝利であり、ナフトガス社とウクライナ政府、大統領との協働がもたらしたものだ」と述べた。



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ガス供給を巡る仲裁決定は既にお伝えしたが、輸送でもウクライナ側の大勝利。両裁定を合計すると26億ドルをゲット。筆者は2009年ガス契約とその調印を主導したティモシェンコに批判的であった訳だが、実はウクライナ有利な契約だったようだ(笑)
 しかし、上記のナフトガス社作成の勝利宣言画像はちょっと笑える。
posted by 藤森信吉 at 17:14| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月28日

ウクライナ、脱石炭

 こちらによると、2017年度のウクライナの火力発電所・熱供給所の石炭消費量はマイナス21%だった。
 火力発電所および熱供給所の2017年度石炭消費量は、2481万1300トンで前年比マイナス20.8%(652万7300トン)だった。石炭消費量の大幅な減少は、ATO地域からの商品、特にウクライナの火力発電所の半数が消費する無煙炭、の搬出停止によるものであり、2017年2月17日〜7月17日の間、ウクライナは電力非常事態にあった。
 2016年、ウクライナの火力発電所・熱供給所の石炭消費量は前年比9.4%増であった。
posted by 藤森信吉 at 13:10| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月27日

国内ガス価格漸増案をIMFに提示

 こちらによると、ウクライナ閣僚会議はIMFに新たな天然ガス値上げ案を提示した。
 立法メートル当たり2-3%の値上げを想定しており、これにより、料金の高騰と住民補助金の一気の値上げが避けられる。ガス価格の一気の高騰はインフレリスクをもたらす。
 2019年10月までにガス価格は予定にそって約16%増加しなければならない。ウクライナ政府は、IMFに2案提示しており、市場価格への移行は補助金を受けとる家庭の割合が25%以下に低下し、ウクライナ全土の消費ガス量が国内生産ですべて充当できる場合のみに実現される。これは、2021年に実現する可能性があり、
政府予測によれば国内ガス生産量は280億m3、消費量は270億m3となる。現行のIMFとの合意メカニズムは将来的に受け入れ不可能となっている。4月からのガス価格30%値上げにより、補助金受給者数の割合は60%まで増加し、国庫負担を100億フリブナから800億フリブナに増やすことになる。
 住民向けガス価格の値上げと汚職対策裁の創設は、IMFの二大要求であり、次期トランシュに向けて不可欠なものである。
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忘備録として。20年以上前からIMFはウクライナに対して同じことを言い続けている訳だが、以前と違うのは、もはやIMF案を蹴ってもロシアが助けてくれないことだ。
posted by 藤森信吉 at 11:30| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月25日

ロシア、クリミア併合後72億m3の天然ガスを採掘

 こちらによると、クリミア併合後、ロシアは天然ガス72億m3を違法採掘した。
 スベトラーナ・ネジノヴァ・チョルノモーロナフトハス社社長は、「内35億m3はオデッサ・ガス田からであり、併合時に油井が7だったものが、11に増やされ、油田の利用は全開であり、クリミアの違法政権はさらなる産出を計画している」「 ロシアは併合当初からウクライナの経済圏であることを認識しており、国際司法のアピールがあれば、何らかの措置を講じてくるかもしれない」と述べた。
 ロシアによるクリミア併合後、クリミア政権は半島大陸棚およびチョルノモールナフトハス社はクリミア資産であると宣言し、クリミア国有企業チョルノモールネフチェガス社を創設していた。
 チョルノモールナフトハスは2013年に24億m3の天然ガスを採掘したが、20億m3、18.44億m3、16.44億m3と年々、縮小していた。ナフトガス・ウクライナ社はCovington & Burling法律事務所に自社利益を保護を依頼し、2016年2月にロシアに対し公式に二国間条約枠内での投資争議であると通告、2017年9月には損失補てんを求めハーグ仲裁に提訴していた。2018年末までに仲裁決定が下される予定である。
posted by 藤森信吉 at 18:35| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月22日

2017年の輸入天然ガス平均価格は232ドル/1000m3

こちらによると、2017年度、ウクライナは天然ガス139億4242万1千m3(32億2793.3万ドル)を輸入した。


輸入企業の国籍輸入量(億m3)輸入額(億ドル)
スイス56.4295313.14114
ドイツ37.088338.47762
ポーランド14.939943.43227
フランス11.73272.37926
ハンガリー7.682141.78895
UK5.420081.27259
チェコ2.519910.55349
スロヴァキア2.221620.55349
ルクセンブルク1.790760.40735
イタリア0.673150.15869
オーストリア0.485480.11197
ロシアナシナシ

2017年、20の企業が天然ガス輸入業に従事した。2016年、ウクライナは、109億m3、21億9082.3万ドルの天然ガスを輸入した。
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 この統計の取り方(法人の登記先)はいつから採用されたのだろうか… RosUkrEnergo(スイス法人)が幅を利かせていた頃も、統計上、輸入先は「ロシア」と表示されていた記憶があるし、Iteraに至ってはアメリカ法人だったような…あ、ティモシェンコのガス輸入はUKとの合弁企業でしたかね。

posted by 藤森信吉 at 17:48| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月07日

ガスプロムの欧州におけるシェア、記録更新

 こちらによると、2017年のヨーロッパ市場におけるガスプロムのシェアは34.7%だった。
 ガスプロムの投資家向け説明会におけるプレゼン資料内で明らかにされたものであり、2016年の33.1%から上昇している。2030年には35-38%に、2035年には38-41%になることが予想されている。これは、在外の分析によるものであり、液化天然ガスよりもロシアのパイプライン輸送ガスの方が好適であることを示している。
 2017年のガスプロムの「遠い外国」向け天然ガス輸送量は1944億m3で、前年同期比8.4%増である。
また、ヴァシリー・タヌルコフ氏によると、ヨーロッパの輸出ガス市場のガスプロムのシェアは41%に達するという。シェアはヨーロッパ産出ガスの減少によって上昇することがあり、重要なのは供給量である、としている。
posted by 藤森信吉 at 16:12| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月06日

ガス料金 爆上げの可能性

 こちらによると、ガス代が62%値上げされる可能性がある。
 住民および熱供給公社向けガス料金は、2017年3月22日付決議に変更がなければ、4月1日から62%増、すなわち4900フリブナ/1000m3(VAT除)から8030フリブナへ値上げされる可能性がある。これは、ナフトガス・ウクライナ社財務計画の財務省分析内で言及されている。また、2018年10月からガス価格は現行から73%増の8500フリブナ/1000m3に上昇する可能性がある。政府は2017年3月22日付決議を履行する場合、2018年1月から17%増加される可能性があったが、政府は履行を4月に先延ばししていた。
 フロイスマン首相は、暖房シーズンが終わる4月まではガス代の値上げを行わない、値上げされた場合は、生活保護制度で相殺されるだろう、と述べていた。
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先誑之曰、與若芧、朝三而暮四、足乎。衆狙皆起而怒。俄而曰、與若芧、朝四而暮三、足乎。衆狙皆伏而喜。
posted by 藤森信吉 at 20:25| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月19日

天然ガス消費量、マイナス0.5%

 こちらによると、2017年のウクライナの天然ガス消費量は前年比マイナス0.5%だった。

 20172016
総消費量322億m3324
産業10896
住民・予算執行機関116125
熱供給基地6070
技術的必要量3833

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   住民の消費量は、冬季の気温に依存するので昨年は暖冬だったということだろう。本当のところは住民数が減少している(移民、出稼ぎ)ことが原因な気がする。技術的必要量はパイプライン維持のためのガス消費(加圧基地の燃料等)。
posted by 藤森信吉 at 21:03| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする