2018年06月19日

ナフトガス社も上訴

 こちらによると、ナフトガス・ウクライナ社はスウェーデン高裁に対し、ストックホルム裁定中止命令を撤回するよう求める訴えを起こした。
 ナフトガス・ウクライナ社商務部長ヴィトレンコ氏は「今日、スウェーデン高裁に上訴し、アピールを行った。公にできない調停と異なり、高裁は公開される。誰でも文を読める」と述べた。地裁決定は、一時的にナフトガス社がガスプロムから26億ドルを徴収する過程を停止しただけであり、裁定の撤回につながるものではない。

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流れを整理すると
2018年2月 ストックホルム商業会議所仲裁裁判所は2009年ガス輸送契約でナフトガス社に有利な裁定、前年11月の売買契約と合計するとガスプロムは26億ドルをナフトガス社に支払うことに。
2018年5月 ナフトガス社、強制徴収を開始し、オランダ、スイスでガスプロム資産差し押さえ判決を得る
6月 ガスプロム社、スウェーデン地裁で 裁定の停止判決を得る
6月 ナフトガス社、高裁に上訴

 2009年契約には「ストックホルム裁定は最終的な決定である」と書かれているのだが、訳わからん。
 
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2018年06月17日

ウンゲニ-キシナウ・ガスパイプライン、予算の裏付けなし?

 こちらによると、ウンゲニ・キシナウ間のガスパイプライン建設費のアテがたっていない。
 ルーマニアのガス企業Transgaz社のステリアン社長はモルドヴァのヨーロッパガス網への接続を2020年上半期以前、とブカレストで行われたGas Infrastructure Europe会議で発言した。しかしウンゲニ・キシナウ間パイプライン建設については、無期限で延長される可能性がある。Transgaz社は昨年度の利益の90%を配当で出しており、投資資金がない。契約では、同社はパイプライン建設予定費用9300万ユーロを投資することになっている。
 ルーマニアや黒海、ギリシャ北からのガス供給でモルドヴァはヨーロッパ・ガスインフラの一部となる、とステリアン氏は述べた。数か月前、Transgaz社はモルドヴァのヤッシ・ウンゲニ・ガスパイプライン管理企業Vestmoldtransgazとの間でウンゲニ・キシナウ・パイプライン建設に9300万ユーロを投資する契約を結んでいた。また、数週間前に同社は利益の90%を政府に配当として払うことを株主決議しており、1020万ユーロしか同社に残されないことになる。この状態で同社は2018年に3億8600万ユーロ、2019年には6億2200万ユーロの投資計画を持っている。
 国境をまたぐウンゲニ・ヤッシ・ガスパイプラインは2013年に建設が開始された。モルドヴァのガスプロム依存を減らし、エネルギー安保を高めることを目的としていた。43kmの内、33kmはルーマニア領を走っている。



ラベル:モルドヴァ
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2018年06月14日

ガスプロム、ストックホルム裁定をひっくり返す

 こちらによると、ガスプロムは
ストックホルム裁定執行の停止を宣言した。
 スヴェア地区上級裁(スウェーデン)は、ガス輸送契約に関する2月28日付ストックホルム仲裁の決定の執行停止を求めたガスプロム請願を認めた。
 ガスプロム社は「上級裁は、ストックホルム仲裁の決定の執行を停止するに十分な証拠があると認めた。ナフトガス社が海外でガスプロム資産差し押さえる根拠は失われた」と声明文を出した。スウェーデンの「調停法」によると上級裁の決定をさらに上告することできない、とガスプロム社は強調した。
これに対し、ナフトガス・ウクライナ社は、スヴェア地裁による決定は一時的なものであり、ナフトガス社からの聴収なしに下されたものである、地裁決定は覆されるべきであり、この要求が短期で受け入られることを期待する、とした。
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さて、どうなるか。
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2018年06月05日

ナフトガス、オランダでガスプロム資産差し押さえ

 ナフトガス・ウクライナ社によると、同社はオランダでガスプロム資産を差し押さえた。
 先週、ナフトガス・ウクライナ社はガスプロムがオランダ子会社に有している株式および同子会社の資産の差し押さえを申請したが、これはナフトガス社が有する26億ドルの債権(ストックホルム裁定でガスプロムによって支払われるべき額)を確保するためものであり、オランダ裁は差し押さえを許可した。しかしガスプロム社子会社7社のうち6社は執行に協力することを拒否した。
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 プレスリリースの原文は英語なので興味がある方はリンク先をお読みください。近年、ナフトガス社HPのプレスリリースは英語のみ。ウクライナ語・ロシア語でも出せばいいのに。
 この問題の背景についてはロシアNIS調査月報2018年6月号の拙稿を参照(宣伝)。

posted by 藤森信吉 at 15:55| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ナフトガス、ガスプロムを脅迫?

こちらによると、ナフトガス・ウクライナ社は2020-28年のガス輸送に関し、ガスプロム社に対し年1100億m3レベルと33%の輸送料値上げを要求している。
  ガスプロム社の消息筋によると、ナフトガス社はウクライナのガス輸送パイプラインシステムにおけるガスプロムの輸送者は、自由に選定できる案を提示しているが、実質的にウクライナ企業、ナフトガス社になる。第二案として、ウクライナ東部国境でナフトガス社に売却し、同量を西部国境で買い戻すガススワップ契約を提示している。輸送料については、ナフトガス社は現契約下で2018-19年の引き上げを求めている。ナフトガス社によると、料金形成は2部分から成り、一つは100km/1000m3+ガス価格(ガスプロムがナフトガス社に課す料金)、2つめは「燃料分」と称される加圧基地等の消費の補償分である。コメルサント編集部の試算によると、2.52ドル/1000m3.100kmで2.52ドルとなるが、内0.65ドルは後者の部分になる。2018-19年はストックホルム裁定によればガスプロム社は1100億m3以上を輸送用に供給しなければならない(ガスプロムは不同意)が、ナフトガス社は燃料分も含めた33%値上げの立場で、輸送料は総額25.5億ドルから37億ドルへなる。ガスプロム社は1100億m3輸送に同意しておらず、将来的なウクライナ経由量を100-150億m3とする計画を持っている。ノルド・ストリーム2完工の場合、ガスプロム社は、ロシアから中央ルート(ウクライナ、スロヴァキア、チェコ)経由のドイツ国境への輸送料は、ノルド2の輸送料と対比される、としている。その場合、ナフトガス社試算で、ウクライナ領の輸送料は1ドル/1000m3.100kmに低下する。
 ガスプロム社が輸送料値下げや1100億m3の輸送に合意できない場合、ナフトガス社は110億ドルの補償を調停に訴えるとしている。
posted by 藤森信吉 at 10:44| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月04日

ナフトガス社、超絶お手盛り

 こちらによるとナフトガス・ウクライナ社監査役会はストックホルム裁定の勝利に貢献した従業員に4630万ドルを報酬として与えることを決定した。
  報酬総額は、裁定46億ドルの1%(1%は2017年度の財務報告書内で言及されている)にあたり、41名は直接・間接的に調停勝利に貢献した従業員である。企業上層部のみならず、他の従業員も含まれ、勝利の貢献に応じてボーナス支給額が定められる。
 本年度5月に第一弾にあたる2070万ドル(5億4100万フリブナ)が支給され、残りは26億ドルがガスプロムから支払われることが条件となっている。
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 勝利は専ら国際法律事務所のおかげだと思うのだが
posted by 藤森信吉 at 12:00| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月01日

ウクライナ、ガスプロム資産を強制執行へ

 ポロシェンコ大統領は、ガスプロムから26億ドルを強制執行で徴収する過程が実現レベルに達していると明かした。
 ヨーロッパ、とくにスイス、UK、オランダにおけるガスプロムの株式や資産は差し押さえられている、この3か国にとどまらず、続けられる、とコボレフ・ナフトガスウクライナ社長との会談で大統領は述べた。また、ガスプロム資産についてはノルド・ストリームおよびノルド2の株式、高流通資産に議論が及んだ。
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ウクライナがここまでロシアを押し込んだことがかつてあったでしょうか。ウクライナはノルドストリーム2の株式を差し押さえた後に、建設賛成に転じるのでしょうかw。
posted by 藤森信吉 at 11:20| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月31日

ガスプロム、ストックホルム裁定の取り消しを求めて提訴

こちらによると、ガスプロム社はスヴェア地裁にストックホルム調停裁の輸送に関する調停を全面的に取り消すことを求めて上訴した。
 「裁定文を国際的な語学専門家とともに検討したところによると、裁定文の大部分は仲裁人ではなく、他者により書かれたものと分かった。専門家の結論としては『スウェーデン法およびストックホルム調停の規則の甚大な違反の新証拠がある』というものだ」と結論付けている。
 ガスプロム社は3月末に、仲裁人による手続き違反を理由に、上訴していた。
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2009年契約には「(ストックホルム裁定は)最終的な決定」と書かれているのだが、ガスプロム社は仲裁人のボディがスナッチされていたとか、手続きがおかしいとかで司法闘争を続ける模様。
posted by 藤森信吉 at 10:34| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月30日

ロシア、ウクライナ領経由の石炭輸送を停止

 こちらによると、ロシアは5月1日以来、ウクライナ経由の石炭輸送を停止したままである。
 ロシアの石炭企業、ウクライナの石炭輸入企業およびウクライナの港湾関係者の話によると、ロシアはエネルギーおよびコークス炭のウクライナ領経由の輸送を理由なく停止している。通常であれば、月平均100万から180万トンの輸送があり、ウクライナ港や西部国境を通じて輸送される。主たる受領国はトルコ、ポーランド、ルーマニア、スロヴァキア、チェコ、ハンガリーその他ヨーロッパ諸国およびアジア、アフリカ諸国の企業である。ロシア鉄道は5月初から石炭輸送を拒否している。ウクライナ企業向け石炭輸出は問題なく続けられている」とロシアの石炭企業代表は述べている。5月2日から発効した新たな制裁企業リストにロシア鉄道は記載されていない。
posted by 藤森信吉 at 16:24| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月27日

プーチン「EU向けガス輸送でウクライナ・ルートを閉じることはない」

こちらによると、プーチン大統領は、ペテルブルク国際経済フォーラムにおいて「経済的な正当性があるのでれば、ロシアはウクライナ経由のガス輸送を止めないだろう」と述べた。
 大統領によると、ナルドストリーム2はウクライナ迂回が目的ではなく、ヨーロッパにガス供給量を補充するためであり、パイプライン輸送はLNG購入よりも好適である。ヨーロッパではガス生産量が低下しており、代替源が求められている。最も正しく経済的に意味がある案は、ロシアのパイプライン輸送ガスである、とした。
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ガスプロムやメドヴェージェフ首相も同じ発言をしており、これがロシア政府の統一見解ということなのでしょう。
経済的=ウクライナ・パイプラインの輸送料値下げ、ship or pay項目の撤廃 
このあたりの顛末はロシアNIS調査月歩6月号を参照。
posted by 藤森信吉 at 10:55| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする