2020年01月22日

ウクライナの製油所、原油製品の輸入関税を求める

 こちらによると、ウクライナの製油所企業は、政府に対し、保護関税導入を求める共同声明を発出した。
 「ウクルトットナフタ」「ウクルナフタ」「ウクルハスヴィドブヴァンニャ」は、ウクライナ経済通商農業省に対し、ロシア産ディーゼル燃料およびLPGガスの非競争的行為を指摘し、8.46%の輸入関税を課すよう求める共同声明を出した。
 ロシア産は、財政から税還付を受けるという形で財政補助金を受けており、WTO原則に反している、このおかげで、ロシア産原油製品は、市場においてディーゼルは47%、LPGは55%のシェアを独占しており、ベラルーシ、ラトヴァ、ポーランド産を駆逐している。ウクライナの生産者は、8.46%の相殺関税導入を求める。関税導入は価格の高騰を招かない、というのはベラルーシ、ラトヴィア、ポーランド、海洋タンカーや国内生産者が競争的に供給するからである。また、ロシア産原油製品への依存解消は大統領令、国家安全保障会議決定の鍵となるものである。
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ユーシチェンコ大統領時代から国内製油所を優遇する措置を採ってこなかったので、この有様。ウクルタットナフタ社をロシア企業とみなすか、ウクライナ企業とみなすか、多国籍企業とみなすかは微妙な所であるが、斯様にロシア原油製品の輸入利権が強い、と。
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2020年01月17日

「ウンゲニ・キシナウ」ガスパイプライン計画、完工延期

 こちらによると、ウンゲニ・キシナウ・ガスパイプライン計画は2021年に完工する。
 ルーマニアのガス輸送企業Transgaz社は、ルーマニア・モルドヴァ間のガス輸送システムの完全な接続は2021年に完了するが、それ以前にルーマニアはモルドヴァに150万m3/日のガスを輸送可能となる。完工後は400-600万m3/日に輸送力が上がる。ヤッシ・ウンゲニ間ガスパイプラインは2013年から建設が開始され、2017年第四四半期の稼働を予定していたが、2020年にずれ込んでいた。
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2020年01月15日

ウクライナ、ガスパイプライン輸送容量の縮小を計画

 こちらによると、ウクライナのガスパイプラインは、輸送能力400億m3/年に再構築する計画がある。
 ウクライナ・ガス輸送システムオペレーター社のマコゴン氏は、インターファックス通信社とのインタビューにおいて「いずれ、輸送量は400億m3前後となり、我々はこの容量に基づいて輸送システムを再構築する。つまり、利用される部分のみの加圧基地の改修を行うだけで、使わない部分は段階的に稼働から外していく。技術的経済的根拠から最適化を準備している」と述べた。
 2019年12月30日に調印された契約では、2020年にはロシアガスを最低650億m3/年、2021-24は最低400億m3/年輸送することになる。契約期間中、ship or payが適用される。
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輸送量の縮小は数年前からウクライナの国家機関で予測されており、2009年契約の失効後、粛々と実行に移す、と。パイプライン輸送国の終わりのはじまり。年400億m3でも、十分な輸送量ですが。
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2020年01月13日

ガスプロムからのガス購入予定なし

 こちらによると、 ウクライナは、ロシア側とガス購入交渉を行っていない。
 ヴィトレンコ・ナフトガス・ウクライナ執行役員は「ガスプロムから直接ガスを購入することは可能だが、目下、契約はないし計画もないし交渉もない。協議すべき現実的な理由はない。我々は、ウクライナの政治家の英雄的決定故にガスを買わないのではなく、ロシアが供給を停止しているために買わないのである。ナフトガス社の課題はウクライナ消費者のためにヨーロッパからの代替供給源を探すことだ」と述べた。
posted by 藤森信吉 at 16:31| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月12日

ナフトガス、シェルの大物を登用

 こちらによると、ナフトガス・ウクライナ社の財務部長にシェル出身のドリール氏が任命された。
 ぺトルス・ファン・ドリール氏は企業財務の強化、財務政策、ナフトガス社の基本方針策定等に従事する。ドリール氏はシェル社で30年の職歴を有し、子会社の財務顧問からスタートしロイヤル・ダッチ・シェル社の会計担当副社長まで昇りつめた。.
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 スペルは Petrus Stephanus van Driel かな? 斯様な大物を引っ張り込んで何がはじまるのでしょうか。LNG基地建設? 
posted by 藤森信吉 at 13:56| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月10日

トルコ・ストリームによる機会損失は4.5億ドル

 こちらによると、トルコ・ストリーム開通によるウクライナの2020年度の機会損失額は4.5億ドルである。
 マコホン・ウクライナガスシステム運営社長によると、ウクライナ経由のバルカン方面へのガス輸送は1月1日以降、ルーマニア、モルドヴァのみであり、ブルガリア、トルコ、その他諸国は既にウクライナ経由の供給を受けていない。この結果、ウクライナ経由のガス輸送は150億m3減少する。ヴェトレンコ・ナフトガスウクライナ専務は、ウクライナのガス輸送システムが年900-1000億m3を輸送する可能性はない、以前のような輸送量を回復することはないだろう、と指摘した。
 トルコ・ストリームはトルコ、南・東欧諸国に年315億m3を輸送可能であり、1月1日からすでに稼働している。以前にトランスバルカン・ルートを使用してロシアのガスを輸入していた諸国は、トルコ・ストリームに置き換えられている。
posted by 藤森信吉 at 10:05| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月04日

ウクライナ、ガソリン危機の可能性

こちらによると、ゲルス・ウクライナ最高会議エネルギー委員会議長は、ベラルーシの石油製品輸出は甚大な問題とはならない、との見解を示した。
 ゲルス氏は「冬は危機的ではない。ウクライナにとり重要な問題とは思わなない。播種の季節までに問題が解決されるか、あるいは供給源の多元化を進めているかどちらかだ」と述べた。現時点では、ベラルーシからウクライナへの石油製品の輸出は継続しているという。
「ベラルーシからガソリンが来る。ウクライナの製油所はディーゼルを生産していない、というのはディーゼルと同時にできるガソリンを大量に売ることがないからだ。従って、クレメンチュク製油所の精製を高め、EU諸国からの輸入を増やすことになろう。多元化を既に開始しており、また冬季は需要が低いため、コントロールできている。ベラルーシからディーゼル供給が止まったときが問題だ」と述べた。
 ベラルーシのナフタンとモズィル製油所はロシア原油企業との契約が切れたことにより、原油供給を止められている。両製油所は備蓄した原油で精製を続けているが、1月半ばには切れることになる。1月1日以降、原油製品の輸出を停止したとの情報も出ている。
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 イラン問題と合わせるとウクライナにとってはダブルパンチでは。ドライバー諸君がガソリンスタンドに殺到していると予想。
posted by 藤森信吉 at 21:15| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月03日

2019年ウクライナ・ガス統計

 こちらこちらに2019年の諸ガス統計が掲載されているので簡単に紹介。

・輸入量 142億4710万m3(前年比+34.5%)
 内スロヴァキアから 91.5億m3(+41.7%)、ハンガリー36.72億m3(+6.7%)、ポーランド14.23億m3
 ガスプロムからの輸入量はゼロ、全て西部国境からの輸入。
・ガス輸送量 895億8590万m3(前年比+3.2%)
 内ヨーロッパ向け866.96億m3(+3.4%)、モルドヴァ向け28.899億m3(マイナス1.7%)
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輸入に出てくる国名は、輸入相手国ではなく、どこの国境から輸入した、という統計のようです。スロヴァキア国境経由の輸入量が大半ということは、ロシアとのガス輸送契約が切れるとリバース輸入が壊滅する、ということを意味しています。
posted by 藤森信吉 at 15:04| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月01日

ウクライナ、バーチャル・リバースへの道

 こちらによると、スロヴァキアとウクライナのガスパイプライン・オペレーター企業は、技術協定に調印した。
 ウクライナのガス輸送システム・オペレーター社とスロヴァキアのEustream社はヨーロッパ規則に則した相互接続合意に関する技術協定に調印した。コボリョフ・ナフトガス・ウクライナ社長は「ここでの主たる成果は、ウシホロド-ベルケ・カプシャヌィ間の超オペレーターとしてのガスプロムが排除されたことだ。過去5年間にわたる闘争で、ブレイクスルーを勝ち得た。バーチャル・リバースが適用される」と述べた。
 ウクライナ・スロヴァキア間の主たる問題は、両国内にそれぞれあるガス計測値であり、常に異なる値を示してきたが、この問題が解決されたことで調印に至った。
 バーチャル・リバースは、ガスが物理的に移動せずとも両者間の相殺で交換できるものである。



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 バーチャル・リバースだと、例えば、スロヴァキアがガスプロムからガスを購入、ウクライナ領内を輸送中にウクライナに転売することが可能となる。ただ、 従来のガスプロムとの輸送契約だと、ウクライナ領内を輸送中のガスの所有権はガスプロムなので転売できないはずだが。
posted by 藤森信吉 at 10:43| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月31日

5年間のガス輸送契約に調印

 ナフトガス・ウクライナ社によると、ナフトガス社、ウクライナ・ガス輸送システムオペレーター社、ガスプロム社は2024年までの一連のガス輸送契約に調印した。
 この成果は、ナフトガス社の交渉準備の努力と米国のノルド2計画に関連した制裁実施によるものである。
合意は19-20日にベルリンおよびミンスクにおける交渉の議定書の内容を履行するものである。
 ガス供給問題については、本合意の対象ではないが、ナフトガス社はガスプロム社が近い将来、NCG価格でウクライナに供給再開することに関心があることを特に記したい。また、本合意には、クリミアにおけるロシア連邦の資産接収に対するナフトガス社の係争に影響を与えない。
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 プレスリリースは英語(なぜかウクライナ語、ロシア語はなし)なので、是非ご一読を。アメリカのおかげ、とはっきり名言しています。ロシア側の報道だと、ship or pay 原則がある、とのこと。
posted by 藤森信吉 at 13:31| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする