2018年12月04日

ウクライナの火力発電は世界一高い

 こちらによると、ウクライナの火力発電は世界で最も高コストであった。
 Carbon Trackerの報告書によると、ウクライナの火力発電所の平均価格は70ドル/MWh(フリブナ換算で1800フリブナ)であった。2017年の火力発電所に適用された料金は1595.7フリブナ/WMhであった。
 EU、韓国、日本における火力発電所に適用される料金は50-60ドル/mWhで、最も安いインドネシアは40ドルであった。2016年3月3日付国家エネルギー公共サービス規制委員会の決定で、ウクライナの火力発電コストは「ロッテルダム・プラス」で算出されることになり、そのため2016年の火力発電所の平均料金は81%増となり、企業向け電力料金の引き上げにつながった。ウクライナの火力発電所の80%以上がアフメトフのDTEK社傘下にある。
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 ロッテルダム・プラスは『ロシアNIS調査月報』2017年6月号に寄稿した『マイダン後のウクライナ・エネルギー事情』で言及したような(宣伝)。ウクライナのメディアからは、「金額規模でガストレーダー全盛期(97-98)よりも大きい」とか、「ウクライナ史上、最大のインチキ」とか言われています。そりゃアフメトフも儲かりますよね。
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2018年11月10日

ティモシェンコ「国内生産ガスは住民に向けるべきだ」

 こちらによると、ティモシェンコは、ウクライナ産ガスは住民向けに供給すべきだ、と主張した。
 ザポリッジャ州の住民との集会において、ティモシェンコは「ウクライナは210億m3のガス生産があり、住民の全消費量は190億m3である。ウクライナ産ガスがウクライナ人に行きわたらず、何処かの市場で購入・輸入されたガスが企業に行かないのは何故か? ウクライナ憲法には全ての地下資源は人民のものである、と記されている。ポロシェンコ政権による今暖房シーズンを前にした値上げはインフレを亢進させる。ガスから作られる暖房、お湯も料金が上昇する」と批判した。また、2009年時の料金と比較すると11倍の違いがある、とした。
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大統領選挙に向けて、野党はガス料金値上げを集中攻撃。厳冬になると、大統領の支持率にかなり響きそう。
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2018年11月09日

Energoatom社、ロシアの制裁を楽観視

 こちらによると、国営企業エネルホアトム社は、ロシアの制裁による核燃料供給リスクはないとの見解を示した。
 ネダシコフシキー国営エネルホアトム社長は、ウラン採掘社ВостГОКが、ロシア政府の制裁リスト入りしたことについて「TVEL社とともに、この問題を検討しているところだ。今のところ、リスクは見当たらない」とコメントした。ネダイシコフシキー社長は、ロシアのウクライナ企業に対する制裁は、ウクライナからの輸出についてであり、ロシアからの輸入については無影響であると指摘した。
 また、濃縮作業をロシアから、Westinghouse社に変更する可能性も示唆した。ВостГОК社はウクライナ唯一のウラン鉱であり、ウクライナの原発が年2400トンのウランを消費する中、同社製は1000トンを占めている。
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以前にご紹介したように、ウクライナで掘られたウラン鉱は、ロシアTVEL社で燃料棒に加工されてウクライナに戻ってくる。ウクライナからウラン鉱を輸出できないことになるため、1. TVELから燃料棒のみを輸入、2. Westinghouseにウラン加工を委託する、が新たな選択肢となる。
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2018年11月01日

ウクライナ原発、ピンチ?

 こちらによると、ウクライナ国家コンツェルン「核燃料」内の国営企業「東鉱・精製コンビナート(ВостГОКом)」および「スモリィ」が、ロシア政府が発表した法人制裁リストに含まれていることが明らかになった。
 ВостГОКомで採掘されたウランは、ロシア領で、TVELとウクライナ国営企業エネルゴアトムの契約によって濃縮加工されている。
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 これ、どうなるんだろうか。ВостГОКомのウランをロシアが受け入れ拒否すると、ウクライナ側は原発燃料の1/3くらいを失うことになる。TVELから別途購入するか、あるいはwestinghouseと委託加工契約を新たに結ぶことになるのか。
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2018年10月31日

ナフトガス、住民向け新ガス料金を公表

 こちらによると、ナフトガス・ウクライナ社は、11月1日から2019年4月30日までの新ガス料金を公表した。
 10月19日付ウクライナ閣僚会議決定に基づく価格で、ナフトガス社はPSO(特別義務価格)6235.51フリブナ(VAT込で7482.16フリブナ)/1000m3で販売する。住民における末端価格(輸送・供給費、VAT込)は8548.92フリブナとなり、22.9%引き上げとなる。他方、熱供給公社向けは8361.85フリブナで22.8%引き上げとなる。
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6235.51フリブナ=220ドルくらいなので、輸入価格より安い。4月30日まで、ということは3月31日の大統領選挙は無事にカバーされますw
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2018年10月23日

ポロシェンコ、天然ガス料金値上げを正当化

 ポロシェンコ大統領は、安い天然ガス価格はロシア・ガスへの回帰を招く、として値上げを正当化した。
 大統領は会計検査院の職員との会談において「ポピュリストどもがガスを1/2、1/3、1/6に引き下げることを公約しているが、これはロシア・ガスの束縛に回帰することになる。ロシア世界への回帰は二度とあってはいけない」と述べた。
 また、2007-13年間に住民が作り出したガス債務は540億ドルに達する、と前政権を批判した。また、ガス料金値上げという政府決定は、単なる社会経済的な意味だけではなく、IMFとの関係が継続し、ウクライナのマクロ経済の安定、為替レートの安定、ウクライナのモスクワからのエネルギー的独立の意味で地政学的な意味がある、と強調した。
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 ポピュリスト=ティモシェンコ
全てを反ロ、欧州ラブに結び付けようとする大統領と、政治経済的停滞を攻撃するその他、という構図。
気が早いが、決選投票に進んだ際の両者のテレビ討論会が楽しみだ。
posted by 藤森信吉 at 12:20| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月22日

ティモシェンコ、ガス料金値上げを批判

 こちらによると、ティモシェンコは、クリヴイ・リフ市の集会に於いて、政府による天然ガス料金の値上げを批判した。
 ティモシェンコは、料金の引き上げはウクライナ人の生命を真に損なうものであるとして、パルビー最高会議議長に対し、臨時会議の招集を求めた。また、「EU諸国にも2つのガス価格があり、公共料金は住民の支払い能力を考慮しなければならない、我々の所得はEUの1/16である。ウクライナ産の天然ガスは、採掘コスト、レント、輸送費を含めてもコストは80-90ドル/1000m3である。カザフスタンでは住民向けガス料金は92ドルである。3倍の価格設定は汚職である」と政府を非難した。

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 ウクライナの国内ガス生産は年200億m3程度なので、これを全て住民向けに供給しろ、ということのようだ。この議論は大昔からあって、政府も口実に使っていた。しかし、選挙まであと5か月、ステージ組んだりして早くも集会に金使ってますな。
posted by 藤森信吉 at 14:44| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月20日

11月1日から住民向けガス料金引き上げ

 こちらによると、11月1日から、住民および熱供給公社向け天然ガス価格が23.5%引き上げられる。
 フロイスマン首相は「60%引き上げから交渉を開始し、歩み寄りにより結果的に11月1日から上昇幅を23.5%に抑えることになった」と述べた。
特別義務価格により、ナフトガス・ウクライナ社は11月1日から、住民向けには8550フリブナ/1000m3で供給する。
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暖房シーズン突入のタイミングで値上げ。選挙への影響や如何に。
posted by 藤森信吉 at 10:58| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月19日

天然ガス料金値上げ、またまた微延長

 こちらによると、ウクライナ閣僚会議は、住民向け天然ガス料金の値上げ実施を27日まで延期した。
 10月17日付閣僚会議決議によると、住民・火力発電所向け特別義務価格(PSO)による値引きは10月18日までのところ、10月27日まで延長された。
 2017年3月22日付の閣僚会議決議でPSOは2018年4月1日まで、とされていたが、5月末、7月末、8月末、9月末、10月18日、と延長を重ねていた。PSO廃止、市場価格の導入はIMFが支援の条件としている。
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 たった10日間の延長は何を意味するのだろうか・・・PSOを維持したまま、来年3月に選挙突入ですかね。
posted by 藤森信吉 at 11:31| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月16日

キエフ市、15日から暖房シーズン入り

 こちらによると、15日からキエフ市は暖房シーズンに入る。
 キエフ市行政府は、天気予報および次週の気温低下を考慮して15日から暖房シーズン入りする決定を行った。集中暖房網は2900kmに及ぶため、数日前から準備をする必要がある。
 数か月にわたり不通だったお湯の供給も再開される。熱供給センター6号炉に天然ガスが供給された。キエフ副市長は「キエフ熱供給エネルゴ」は、ガス特別価格で天然ガスを受領する契約を結んだ。3、4日以内にお湯が再開される」と述べた。また、天然ガス供給に際しては、ナフトガス社は、債務のうち、24億フリブナに達する延滞・利息金を帳消しにする和解を結んだことも明らかにされた。
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ガス特別価格は18日に引き上げられる可能性があり、そうなると、再び熱供給公社の債務が累積してガス止められそうなのですが。集中暖房型の地域熱供給システムは、「エネルギーは、各戸が個別に消費するより、地域全体でまとめて使ったほうがムダがありません」と謳われているが、配管の放熱とか考えると、本当はどうなのだろうか。
posted by 藤森信吉 at 15:10| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする