2017年10月21日

電力輸出、好調

 こちらによると、ウクライナの1-9月の電力輸出量は前年同期比47.6%だった。
 2017年1-9月期にウクライナは41億8170万kWh(プラス13億4800万kWh)を輸出した。ハンガリー、スロヴァキア、ルーマニア向けが24億8850万kWh(プラス19.6%)に達し、他方でポーランド向けがマイナス3.5%となった。また、モルドヴァ向けは9億7000万kWh(前年同期は370万kWh)で大幅増となっている。対ベラルーシ、ロシアの輸出はなかった。
 また、1-9月期にウクライナは3850万kWh(前年同期は5770万kWh)の電力を輸入、内3770万kWhがロシアから、80万kWhがベラルーシからだった。
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ガスとは違い、ロシアとのエネルギー関係は実は地道に続ていることが分かる。モルドヴァ向け輸出がこれだけ伸びているということは沿ドニエストルの対モルドヴァ電力輸出はかなり落ちていることになる。
posted by 藤森信吉 at 19:40| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月18日

ウクライナの脱無煙炭、順調

 こちらによると、DTEK社の9月の発電量の89%はウクライナ産のガス用炭(マークG)であり、輸入無煙炭は11%に過ぎないと発表した。
 同社は「発電量の増加は、DTEK社の輸入無煙炭依存の解消プログラムによるものである」とした。同社は
無煙炭不足に関連して、ウクライナにおけるガス用炭の生産を上9か月で10.5%増加させ、1690万トンに達した、としている。 
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DTEKはアフメトフの会社でウクライナの火力発電と石炭生産を独占している。ドンバス封鎖で人民共和国領内の同社の無煙炭が手に入らなくなり大打撃、と思われたが、輸入(というかロシア迂回)無煙炭でしのぎつつも、ガス用炭への変更が順調に進められているようだ。と考えると、ドンバス封鎖は、事前にアフメトフの了承済ということか。ウクライナが無煙炭を買わなくなると、困るのは人民共和国。
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2017年10月10日

ガス備蓄量を164億m3まで積み増し

 こちらによると、9月末時点でのウクライナの天然ガス備蓄量は163億9471万m3に達した。
3月22日に最低備蓄量を記録して以降、9月30日までに82億9428万m3を積み増したことになる。2016年9月30日時点の142億5565万m3と比較して15%増、2015年9月30日と比較して4.5%増、2014年9月30日時点と比較して1.5%減となっている。
 ウクライナ政府の2017/18年秋・冬季に向けた準備計画によると、2017年11月1日までに170億m3を地下ガス貯蔵庫に備蓄することになっている。
posted by 藤森信吉 at 10:06| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月04日

石炭生産、前年比でマイナス11.5%

 こちらによると、2017年1-9月のウクライナ企業の石炭生産量は2615万トンで前年同期比マイナス11.5%だった。
 コークス炭はマイナス22.9%の5498万トン、無煙炭はマイナス8.3%の2110万トンだった。ドネツィク州の炭鉱は870万トンを生産(マイナス24.6%)し、ルガンシク州の炭鉱は157万トン(マイナス51.5%)、ドニプロペトロフシク州は1466万トン(プラス9.1%)、リヴィウ州は113万トン(マイナス4.1%)、ヴォリン州は8万トン(マイナス42.2%)だった。
 DTEK社は3月15日に人民共和国領内の全企業の統治喪失を発表しており、特に「スベルドロフアントラツィット」、「ロヴェニキアントラツィット」「コムソモーレッツ・ドンバス」の3炭鉱は2011-13年に毎年1700-1900万トンを産出していた。
 ウクライナは2016年に4086万トン(プラス2.8%)を産出しており、内コークス炭は836万トン、無煙炭は3250万トンだった。
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 ドンバス二州の石炭生産量が激減しているが、これは統治喪失により、統計の対象から外されたものだろう。今やドンバスではなく、ドニプロペトロフシク州がウクライナの石炭生産の中心地となったようだ。まあどっちもアフメトフの炭鉱ですが。
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2017年09月24日

ノルドストリーム改修完了

 こちらによるとNORD Streamの改修終了後、ウクライナ・ルートの通過量が20%低下した。
 Eustream社のデータによると、ロシアガスのスロヴァキア方向への輸送量は、改修期間中の9/11〜22の間、ベリケ・カプシャヌィ経由で1億9800万m3/日であったが、22日には1億6220万m3に低下した。ウクルトランスガス社は、改修期間中、ガスプロムはウクライナ経由でガスを受け取るヨーロッパ消費者の需要全てを満たしたわけではない、と述べたが、このガスの受容者であるSnam社はロシアガスが不足している等の声明は出していない。
 同様に改修期間中、ヤマル・ヨーロッパの輸送量も増加した。
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 ウクライナ・ルートは、ノルドのバックアップの役割しか残されていないことに。
 
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2017年09月23日

EU、ウクライナ・ルートの継続利用を強調

 こちらに、シェフチョビッチ欧州委員会副委員長兼エネルギー同盟担当委員のインタビューが掲載されているので興味深い点をピックアップ。

Q 7月末にガスプロムがOPAL利用禁止措置を解除することに成功したことについてどう評価するか
「早期措置であり、欧州司法裁の最終決定を待っているところだ。重要なことは過去2年間、ウクライナ経由のガス輸送量は増えている。ウクライナ経由のガス輸送は重要であり、2019年以降も維持されるべきだ」

Q ロシアガスのEUへの販売ポイントをウクライナ西部国境から東部国境へ変更する可能性は?
「ウクライナ政府の政策と、ナフトガス社のアンバンドリング次第だが、現段階ではヨーロッパ企業はあらゆる可能性について検討する用意があると思う」

Q ヨーロッパ企業がウクライナのガスパイプラインシステム運営に参加する可能性は?
「Snam(伊)やEustream(スロヴァキア)がウクライナとの間で相互理解覚書を締結しているが、その他の企業も関心を持っていると聞き及んでいる。欧州委員会は、ウクライナ経由の輸送を維持することになるため、このプロセスを支持している。ナフトガス社のアンバンドリングがカギであり、ウクライナの改革の大きな要素である」

Q NORD 2建設で、ウクライナはもはやヨーロッパへのガス輸送を担うことができなくなるのか?
 「NORDの改修工事により、今日ウクライナ経由の輸送の重要性が証明された。ウクライナ・ルートを無視することは受け入れられない。そのためにはウクライナ・ルートは商業的に有益でなければならない。NORD 2 については、追加的なガス輸送力が必要とはみなしておらず、政治的な要因もある。我々はガス供給に関して脅威を抱いておらず、相互接続、ガス貯蔵、そしてLNGにより2、3年前に比べ遥かに改善され、供給源の多元化を達成している」
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ウクライナ側のアンバンドリングがカギのようです。自分を高く売ろうとして失敗するのがこれまでのウクライナのパターンだが、今回はうまくヨーロッパ企業を取り込めるか。
posted by 藤森信吉 at 14:00| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月17日

クレムリン「ウクライナ・ルートの継続利用は経済合理性の問題」

 こちらによると、ペスコフ・ロシア大統領報道官は、ウクライナ経由のガス輸送は政治的ではなく、経済合理性の問題である、と述べた。
 YES会議において、EU代表が2020年以降のウクライナ経由のガス輸送の継続はEUの優先事項である、と語ったことに対し、ペスコフ報道官は「ガス輸送は、政治的な問題ではなく、経済合理性や経済利便性、輸送の安定・安全の予測可能性の問題である。販売者たるロシアおよび西欧諸国の購買者にとって最も適当で経済安全保障に叶うルートで輸送は行われる」と述べた。
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 輸送料を下げれば補完的に使う、ということか。
posted by 藤森信吉 at 17:48| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月15日

アメリカから石炭到着

 こちらによると、オデッサのユージヌィ港にアメリカからの石炭貨物船が入港した。
 Ocean Ambitious号は、ツェントル・エネルゴ社火力発電所用の無煙炭6.2万トンを積載している。ユージヌィ港は数週間内に4隻29.5万トン以上の石炭を陸揚げ予定であり、一隻はツェントルエネルゴ用、二隻はDTEK用、一隻はヨーロッパコンストルクツィア社用である。2017年7月末、ツェントルエネルゴ社はアメリカのXCoal Energy& Resources社と年内70万トンの石炭購入契約を結んでいる。
posted by 藤森信吉 at 00:18| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月05日

ウクライナ上8月ガス統計

 ウクルトランスハス社が上8か月ガス統計を公表したので簡単に紹介。
・ヨーロッパ向けガス輸送量 619.5億m3(前年同期比23.4%増) 2011年以来の最大値
・EU諸国からのガス輸入量 95億m3(95.8%増) 内71億m3スロヴァキア経由、15億m3ハンガリー、8億m3ポーランド
・備蓄レベル 148億m3(18.4%増)
・ガス生産量 138億m3(3%増)
・国内消費量179億m3(マイナス0.5%)
http://utg.ua/img/news/2017/09/8m-2017.jpg
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 尋常でない輸送量の増加率、まさに燃え尽きる前のロウソク。

posted by 藤森信吉 at 13:57| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ディーゼルの独占供給体制、崩れる

 こちらによると、SOCARウクライナ社は、ガスプロムの子会社からディーゼル燃料輸入を開始した。
 SOCARウクライナ社は、ガスプロム・ネフチェヒム・サルヴァト社製のディーゼル燃料をLVK Cntre Ltd(イギリス)経由で購入し、ウクライナ市場に供給する。9月4日時点では700トンを輸入している。「この契約はディーゼル燃料の供給源多元化とウクライナ市場における独占解体をもたらす。農業、輸送、重工業といった国家構成部門の市場に追加的な供給が行われる」とSOCAR社は述べている。
 2016年以降、ウクライナのディーゼル燃料はロスネフチが唯一の供給者であり、全てProton Energy(スイス)経由で輸入されてきた。
 ガスプロム・ネフチェヒム・サルヴァト社はガスプロムの子会社(100%マイナス1株)である。SOCARウクライナ社は、ウクライナに50のガソリンスタンド網を持っており、アゼルバイジャン国有SOCAR社の傘下にある。
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 LPGだけでなく、ディーゼルも利権が渦巻く世界というのが分かる。というか、どっちらもメドヴェドチューク案件。ウクライナ危機とかロシアの侵略とか言っているけど、ロシアとの商売で儲けている方々は健在な訳だ。というか、結局はプーチン案件じゃないの?
posted by 藤森信吉 at 13:19| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする