2020年09月04日

ウンゲニ・キシナウ、ついに完工

 こちらによると、ウンゲニ・キシナウ・ガスパイプラインが完工した。
 120km長のパイプラインは年15億m3を輸送する能力がある。2021年にルーマニアの投資によりオネシュティ・ゲラエシュティ区間(165km)および2つの加圧基地が完工すると、輸送能力は22億m3になる。その場合、本パイプラインはモルドヴァ(沿ドニエストル含む)の年平均ガス消費の75%をカバー、また冬季のピーク時にその60%をカバーできることになる。第一ステージにおいては、150万m3/日のガスがモルドヴァに輸送され、2020年12月1日までには300万m3に増強される。加圧基地と調整基地が設置された後、2021年1月1日までに400万m3となる。ウンゲニ・キシナウ・パイプラインの工事は2019年2月18日に開始され、プロジェクトの概算費用は8000万ユーロである。



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理論上、モルドヴァはロシアなしに必要な天然ガスを確保できることになる。モルドヴァ側がガスプロムとの契約を切ると沿ドニエストルを完全に干すことができるが、そうなると沿ドニエストルの発電が止まって電力が来なくなるので、当分はだらだらした関係(沿ドニエストルがガスプロムのガスをタダで利用)が続けられるでしょう。
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2020年08月28日

ウクライナ、南進

 こちらによると、ウクライナはギリシャやトルコ経由で天然ガス輸入が可能となっている。
 マコホン・ガス輸送システム・オペレーター社長によると、2020年1月1日以降、リバース輸送は技術的・法的に可能となっており、今やウクライナの輸入業者はブルガリア、ルーマニアのガス輸送システムを利用してギリシャから輸入することもできる。マコホン氏は「南からのガス輸入は、ウクライナのエネルギー供給源および供給ルートの多元化の意味がある。トランス・バルカンルートでのリバース輸入は、ギリシャやトルコのLNG基地、さらにはカスピ海諸国からのパイプラインへウクライナがアクセスできることを意味している。同時にトルコストリーム稼働後、ロシアからウクライナ〜モルドヴア・ルーマニアへのガス輸送量は70%減となっているため、リバース輸入できる余地が出ている。これはウクライナのエネルギー安全保障の新たな一因となる」と述べた。一方で、南からのガス輸入は、モルドヴァのガス輸送システムオペレーターとの契約が必要であり、目下、ウクライナ、ブルガリア、ルーマニア、モルドヴァのオペレーター企業はこの方針を発展すべく協議中である、とも指摘した。ウクライナとルーマニアのオペレーター企業は2019年末にヨーロッパ規則に基づいた技術的な合意書に調印しており、ウクライナ・モルドヴァ間でも同様の合意が得られている。



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ガスプロムが「トルコストリーム稼働でウクライナを干した」と思っていたら、実はウクライナを潤していた図。
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2020年08月18日

モルドヴァの上半期石油製品輸入統計

 こちらによると、2020年上半期のモルドウァの石油製品輸入量は前年同期比1.1%増だった。
 モルトドヴァは同期間中、38万1900トンの石油製品を輸入したが、内ディーゼルは26.87万トンから28.07万トンにぞうか、他方でガソリンは8万トンから7.24万トンへ、LPGも2.88万トンから2.86万トンへ減少した。
 ガソリンの供給国はルーマニアでシェア100%、ディーゼルのシェアは74.4%だった。また、LPGの主要供給国はカザフスタン(53.8%)で、これまでトップだったロシアは、21.3%(22.2ポイント減)で、ルーマニア(23%)に抜かれて3位に転落。この他、ベラルーシやブルガリアからも原油製品は輸入されている。
 モルドヴァでは19社がガソリン・ディーゼルの輸入・卸売りのライセンスを有しており、12社がLPGのライセンスを有している。モルドヴァ領内には704のガソリンスタンドがあり、内504は全ての石油製品を取り扱っている。
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 単価が急落したので、輸入量は保たれているとのこと。ロシアからの輸入量低下の理由は何だろうか。因みにモルドヴァには製油所がありません。
posted by 藤森信吉 at 14:55| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月02日

ウクライナの2020年上半期ガス輸入

 こちらに上半期ガス輸入が総括されているので簡単に紹介。
 
 上半期のガス輸入量は70億m3を超えたが一方で通関をきったのは37.4億m3に過ぎない。マコゴン・ガス輸送システム・オペレーター社長によると、輸入ガスの半分近くは、トレーダーによって、通関を切らずに地下ガス備蓄庫から汲みだされているため、差が発生する。汲みだされたものは2019年に備蓄されたガスである。2019-2020冬季は温暖であり、備蓄分が利用されなかった。コロナ禍で自宅待機となると、産業は止まり、消費量は落ち込んだ。ヨーロッパの地下ガス備蓄庫は100%詰まっており、ヨーロッパのトレーダーはウクライナに持ち込んできた。ウクライナの備蓄庫の使用料はヨーロッパより安い。以前は、ヨーロッパからウクライナの地下ガス備蓄庫に輸入するには、ガス輸送システム利用料をフルに支払う必要があったが、需要増に応えて、ウクライナは割引料金を導入した。しかし、備蓄分をウクライナ消費者に売る場合、フルの利用料と付加価値税、そして通関する必要がある。現時点で、ウクライナの地下ガス備蓄庫には210億m3のガスが備蓄されており、7000万m3/日が注入されているため、暖房シーズン前には25-260億m3の備蓄レベルに達することになる。
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2020年07月15日

偽りの同盟

 こちらによると、トルコ側の需要減によりブルーストリームの稼働が停止中である。
 ロシアからトルコに至る海底敷設ガスパイプライン「ブルーストリーム」は5月の改修工事後も、稼働していない。トルコはガスプロム産の代替としてLNG購入量を増やしているからだ。
 トルコ・ストリームが提供するガスプロム産ガスは、アメリカからのLNGガスに比べ数倍高く、またアゼルバイジャンからのガス供給量も増えている。トルコBotas社はブルーストリームの改修期間は5月13-29日と発表していたが、改修後も稼働に至っていない。2000年代初頭に稼働を開始したブルーストリームは、昨年、ロシアがトルコに輸出した155億m3のうち111億m3を輸送している。今年からトルコストリーム(年157.5億m3)
が稼働し、ロシアのトルコ向け輸出力は年320億m3に達している。ブルーストリームの契約はtake or payに基づくといわれているが、Botas社が違約金を支払うか否かについてはガスプロム社もトルコエネルギー省も回答していない。トルコはロシアからの輸入減をアメリカ、ナイジェリア、アルジェリア、カタール、そしてロシアからのLNGでカバーしている。今やロシアは、トルコにとって第四位のガス供給国に落ち込んでいる。
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 「ガスプロムの時価総額は世界三位〜」とか浮かれていた時代が懐かしいです。
posted by 藤森信吉 at 12:01| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月12日

ウクライナ、ヨーロッパからの天然ガス輸入量激増

 こちらによると、ウクライナの天然ガス輸入量は7000万m3/日に達し、ロシアから輸入していた2014年以来の最高値を記録した。
 マコホン・ガス輸送システム・ウクライナ・オペレーター社長は「斯様な輸入量の増加は、ウクライナ・ポーランド/ハンガリー国境にバーチャル輸入ポイントを設置し、バーチャルリバースが可能となったおかげである。昨年度の最大輸入量は6600万m3/日であり、当時のインフラの限界値であった。今や、バーチャルリバースで1.7億m3/日輸入することが可能となっている」と記した。また、地下ガス備蓄庫については、今年からはヨーロッパの諸企業が相当量を備蓄しており、その備蓄料はウクライナの国庫を潤している、と指摘した。また、全ヨーロッパ的規則の導入は、ウクライナがヨーロッパガス市場に統合するための重要な要素であり、また、輸入の自由は、ウクライナ消費者にとって公正な価格を保証するものとなる、と強調した。

posted by 藤森信吉 at 21:34| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月06日

ベラルーシ向けタンカー接岸

 こちらによると、ピヴデンヌィ港にベラルーシ向けタンカーが接岸した。
 ウクルトランスナフタ社は6月30日、ピヴデンヌィ石油港においてベラルーシ向けタンカーの原油積み出しを開始した。イギリスBNK社との契約で今年度5隻目のタンカーである。タンカーは8万5千トンのAzeri Lightを積んでおり、積み出し後、オデッサ・ブロディ・原油パイプラインおよびドゥルジバの一線を用いてベラルーシのモズィリ製油所へ向かう。BNK社とウクルトランスナフタ社との契約で、既に4隻のタンカーがピヴデンヌィに寄港しており、総輸送量は35万トンに達している。


posted by 藤森信吉 at 16:17| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月01日

ウクライナ、トルコ・ストリームを見事にバックアップ

 こちらによると、ウクライナのガス・輸送システムはトルコ・ストリームの改修期間中、輸送量50%増を達成した。
 ウクライナ・ガス輸送システムの南ルートは6月において、2650万m3を輸送、これは5月の50%増、4月の4倍となった。トルコ・ストリームが5月23-28日に改修を行ったことに関連したものであり、オルロフカ・計測ポイントにおいては20万m3/日から400万m3/日の増加を見た。ウクライナのガス輸送システムは、南ヨーロッパ諸国への間断なきガス輸送にとり重要であることを示した。ウクライナのガス輸送システムは、トルコ・ストリームやその他のウクライナ・迂回ルートと比してもフレキシブルである。
 2020年初以降、トルコ・ストリームの始動以降、ガスプロムはトルコ、バルカン諸国へのガス輸送にウクライナ・ルートを利用することを完全に停止したが、トルコ・ストリームへの依存は、改修や故障中に供給ストップとなるため南ヨーロッパ諸国にとって大きなリスクとなっている。


posted by 藤森信吉 at 14:21| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月18日

天然ガス輸入価格、100ドル/1000m3切る

 こちらによると、2020年5月のウクライナの天然ガス平均輸入価格は98.09ドル/1000m3だった。
 ウクライナ経済発展商業農業省によると、ウクライナ経済ウクライナ企業の平均輸入価格は98.09ドル(2631.68フリブナ)/1000m3だった。これは2020年4月の平均価格122.5ドルから20%マイナスであった。
posted by 藤森信吉 at 22:06| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月06日

ポーランドともバーチャル・リバースで合意

 こちらによると、ウクライナ・ポーランド両国ガス・パイプラインオペレーター企業は、バーチャル・リバース輸入で合意した。
 ウクライナの「ガス輸送システム・ウクライナ」社とポーランドのGaz-System社は、既存の接続ポイント ドロズドヴィッチ(Drozdowicze) とヘルマノヴィッチ(Hermanowice)を統合し、単一のバーチャル相互接続ポイント「GCP GAZ-SYSTEM/UA TSO」を立ち上げ、7月1日6時から発効することで合意した。パイプライン利用者は、GCP GAZ-SYSTEM/UA TSOに利用量と輸送方向を申告するが、両接続ポイントのどちらを利用したかは問われないことになる。



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 2020年1月にポーランドのドロズドヴィッチからバーチャルリバースを開始したが、さらにポイントを一か所追加したということのようだ。

posted by 藤森信吉 at 22:59| Comment(0) | エネルギー問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする