2014年12月23日

メドヴェージェフ、ウクライナの中立廃案を批判

 メドヴェージェフ首相は、facebook上において、ウクライナの脱中立法案を批判した。
ウクライナ大統領が議会に提出した本法案は、「NATO加盟申請に他ならず、ウクライナを潜在的な反ロシア軍へ転換させるものである。アメリカ大統領の反ロシア法案調印とあわせて、これら決定は否定的結果をもたらすであろう。我が国はこれに対応しなければならない」とした。

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先の論文ではNATO問題に触れていなかったが、ポロシェンコの法案提出に反応。




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2014年12月17日

ラヴロフ、ウクライナ危機を語る(英語で)

 ラヴロフ外相は、France 24のインタビューにおいて、ウクライナ危機についてロシアの主張を展開した。

以下、注目点を紹介。
・ミンスク議定書の実施の遅れは、停戦問題や捕虜交換の問題というよりは、人民共和国側とウクライナとの経済協議が遅れているため。
・経済封鎖には懸念している。ウクライナでは彼らの住民が困難を受けており、再考をお願いしている。
・ジュネーブ合意で規定されているウクライナの憲法改革が実行されていない。しかし、連邦制、自治権、分権等についてロシアは提案していない。
・(と言いつつ、戦勝記念日、バンデラ主義者でウクライナは地域間の不一致があると指摘)
・クリミアはユニークな、例外的存在で、ロシアの土地であり、併合ではなくクリミア住民の意思である。
・アメリカのウクライナ自由支援法について、オバマがサインするのであれば、どのように実践されるか見てから対応を考えたい。




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  ラヴロフ、外相だけあって英語うまいな。イメージ向上のためにもっと英語使えばいいのに。
 連邦制を提案していない(原文は現在進行形)、という文言は、過去には提案したけど今は提案していない、でも、自主的な導入を期待している、ということか。あるいは最近連発されている「ウクライナの領土保全の尊重」の一環なのか。とにかく、人民共和国をロシア領に引き込みたくないことだけは確かなようで、ダチョウ倶楽部のように「どうぞ、どうぞ」とキエフとモスクワで押し付けあっている状況なのだろう。
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2014年12月13日

ロシア外務省、ウクライナ自由支援法を批判

 ロシア外務省は、12日、アメリカ議会がウクライナ自由化法を採択したことに対し、露骨な対立的性格を持つもの、と深い遺憾の意を示した。また、キエフ政権によるドンバスにおける武力行使の継続を保証し、NGOを用いて我が国の内政干渉を図ることを明け透けに宣言している、と批判した。

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Ukraine Freedom Support Act of 2014 を改めて読み直すと
ロシアの民主化・市民社会団体支援という項目があり、NGOや国際組織を通じてロシア連邦の民主化を支援する、と記されている。ロシア政府のアメリカ観そのものを条文に入れ込むとは、挑発なのか、あるいは自らの正しさを信じているのか。
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2014年12月06日

ラヴロフ、ブタペスト・メモランダム(1994)に新解釈

 ロシア外務省HPによると、ラヴロフ外相は5日、OSCE外相会議に参加後、記者会見を行った。
ウクライナの非核化に伴うブタペスト・メモランダム調印20周年に関連した質問に対し、ラヴロフは
「ウクライナに対する消極的安全保障の提供は、第一に核保有国が、核兵器使用を行わない義務についてであるが、第二に主権、領土保全、政治的独立を尊重するというOSCEの責務を完全に伴う政治的義務もある。しかし、武力的な国家転覆の結果を承認するという義務はない」と述べた。

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記者からの質問に、咄嗟に思いついた回答なのかもしれないが、とても大国の外相とは思えない発言だ。「ロシアは暫定政権(ヤヌコヴィッチ放逐後の政権)を承認していないので、ウクライナの領土を尊重しなくても何ら問題ない」という主張にしか取れない。逆に選挙で誕生したポロシェンコ政権をロシアは承認しているはずだから、この場合はブタペスト・メモランダムの義務を負うことになり、クリミア占領は義務違反、ということになる。
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2014年11月24日

「ナチズム英雄化反対」国連決議、可決される

 こちらによると、21日、ロシア政府の発議による「人種差別、外国人排斥、非寛容の過激化をもたらすナチズム、ネオナチズムの英雄化およびその他の実践との闘争」決議が国連総会第三委員会において、賛成115、反対3、棄権55で採択された。
 ロシア外務省は、アメリカ、カナダ、ウクライナが反対票を投じ、EU加盟国が棄権したことが極めて残念であるとした。特に、ウクライナの立場には落胆すると同時に警戒心を抱かせる。ナチズムの恐怖を経験し、対ナチ戦争の勝利に貢献した国が反対票を投じたのか理解し難く、本決議が、ナチズムの英雄化を積極的に試みている国々に対する明確なシグナルになることを希望する、としている。

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2014年11月20日

ロシア、ウクライナのNATO非加盟を求める

こちらによると、19日、ラヴロフ・ロシア外相は、ハンガリー外相との会談後、記者会見で「(ウクライナの)軍事ブロック外ステイタスが、ユーロアトランティック地域の安全保障の観点のみならず、ウクライナの根源的な国益の観点からも、原理的に重要であることに疑いの余地はない」と述べた。

こちらによると、ペスコフ・大統領報道官はBBCとのインタビューにおいて「ロシアはウクライナのNATO非加盟の100%保証」を求めている、と語った。ペスコフはさらに「NATOがロシア国境に漸進的拡大していくことにモスクワは神経質になっている」と付け加えた。

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ドンバス干渉の目的がウクライナの連邦化、NATO非加盟化だと改めて宣言するような力強いお言葉だ。その実現のためには出費を厭わない、という姿勢なのだろう。
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2014年10月20日

ラヴロフ「我々はウクライナを失うことはできない」

 こちらによると、ラヴロフ外相は、19日放映のNTVインタビュー番組に出演した。
以下、興味深い発言をピックアップ
・我々はウクライナを失うことはできない。クーデターで権力を簒奪した者でもなく、またキエフやその他の大都市で行進を繰り広げて、破壊運動に興じて、ナチス関係者を崇拝するナチストでもないからだ。我々にとってロシアはもっとも近い兄弟民族であり、言語、文学は言うに及ばず、歴史・文化・世界観・文明的に共通したルーツをもっている。
・欧州安保が適宜合意され、リスボンからウラジオストックまでの統一経済・人道空間が編成されたならば、今日生じているようなウクライナの深刻な国家危機は生じなかったであろう。

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 「ウクライナは兄弟民族」「全欧州安保」はロシアがこの20年間言い続けてきたことであり、ウクライナ東西分裂論と並ぶオールマイティー理論。
 「ウクライナは欧米ブロックが影響力を浸透させようとする場であり、そのエージェントであるネオナチ勢力がキエフで権力を簒奪した」というのが、今日のロシアの公式なウクライナ観だが、よく考えると、その一方で、ドンバスの人々はロシアのエージェントではなく住民の自発的な抗議行動である、とするのは、非対称的な関係で理論的にいびつだ。
 それ以上に、このインタビューで、ラヴロフは、今のウクライナをナチや簒奪者ではない、と評価している点が興味を引く。先日、UPA英雄化法案が危うく可決されそうだったのに…。議会選挙でも優勢な勝ち馬ポロシェンコに乗ろうとしているのか、あるいは対ウクライナ政策を変更するのでロシア国民に対してメッセージを送っているのか、深読みしたくなる。
posted by 藤森信吉 at 11:08| Comment(0) | TrackBack(0) | ロシア外務省ウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月18日

ロシア外務省、特別地位法を絶賛

 17日、ロシア外務省は、ドネツク・ルガンスク州特別地位法の採択に関する声明を出した。
その中で、特に域内のロシア語使用の権利、国境間交流の促進 が肯定的に評価された。

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特別地位法は、ロシア政府と事前合意済だったことで確定。こんなぬるい法律でOK、ということは、ロシアとウクライナとの間で、連邦制や中立をめぐり別途、何かの妥協が成立していると見るべきか? 

posted by 藤森信吉 at 09:42| Comment(0) | TrackBack(0) | ロシア外務省ウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月30日

プーチン、ウクライナを語る

 29日のプーチン大統領の発言で興味深いウクライナ観が披露されており、以下に列挙。

・2004年選挙時のヤヌコヴィッチ推しはクチマ大統領に頼まれたため
 ロシアは常にウクライナの現政権を支持してきた。「(2004年選挙に際し)レオニード・ダニーロヴィッチ、大統領選挙でロシアは誰を支持すればよいのか?」 クチマは「ヤヌコヴィッチ」「あなた(プーチン)とロシアに、メディアによる支援、政治的支援をお願いしたい」と言われたのでその通りにした。  

・ウクライナ人とロシア人は同じ、ただしガリツィア除く
私が思うに、ロシア人とウクライナ人は、実際のところ同じである。当時も今も、ウクライナ領に住む人々は、ロシア人と呼ぶ以外に自らを呼称することはなかった。もちろん、西欧カトリック世界と接しているガリツィアには、言語や文化が相互浸透している。しかし、彼らの見解を全てのウクライナ人に押し付けるべきではない。

 後者は納得できる部分があるが、前者は、数々の対ウクライナ政策の失敗を責任転嫁しようという意図があるのだろうか? ポロシェンコ政権が重用するクチマ元大統領を貶める?
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2014年08月29日

プーチン、キエフをナチス軍に擬える(国際青年フォーラム セリゲル2014) 

 国際青年フォーラム セリゲル2014が開かれているが、プーチン大統領とラブロフ外相が、ウクライナ問題について、ロシアの論理を展開。

プーチン大統領、ドネツク、ルガンスクを、ドイツ・ファシスト軍に包囲されたレニングラードになぞらえる。 
 ドネツクが英雄都市になる日も近いのだろうか。

ラブロフ外相「まずは停戦、次に連邦制」
 ラブロフ外相は、地域の権利・義務を定める新憲法や分権化、連邦化等について現段階で話し合う積りはなく、まずはキエフ政権、ルガンスク・ドネツク人民共和国指導部、ロシア、OSCEが早急に停戦を実現させることが重要だ、と述べる。
 住民投票の結果を尊重せねばならず、人民共和国は交渉の当事者たりえる、と主張。法的手続きだけでなくODIHRの民主的選挙の基準から全て外れている住民投票を正当性の根拠とするのはいかがなものかと思うのだが、ポチョムキン民主主義的にはOKなのだろう。
 ドネツク・ルガンスク人民共和国を、独立国家の要件を備えて長期的に存続している非承認国家と同一視するのはあまりにも強引であり、ポチョムキン共和国なる政治学用語を定義したいところだ。
posted by 藤森信吉 at 21:35| Comment(0) | TrackBack(0) | ロシア外務省ウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする