こちらに目下の電力不足が経済に如何なる影響を与えるか論じられているので紹介。
頻繁な停電は経済全体だけでなく、末端消費者の消費行動にまで影響を与える。
・インフレ、為替レートの下落
ディーゼル発電機は発電コストが高く、中小企業は自腹で購入する必要があるため、製品価格に転嫁され、インフレの原因となる。また、発電機は輸入品であるため、輸入代金用に外貨需要が高まり、フリブナの為替レートが下落する可能性がある。
コンクリ建材を例にとってみよう。予期せぬ停電より生産過程がストップすると半完成品が途中で硬化しはじめて製品はダメになる。しかし従業員への給料は支払われる。生産コストは上がるが、生産性は落ちる。こうなると企業の生存も怪しくなる。
・ディーゼル発電機の発電コストは市場の電力価格の2-3倍、輸入電力の1.5倍である。ディーゼル燃料係が必要なるし、安定した電力が必要とされる業態によっては蓄電池への投資も必要となる。電力不足は電気冷蔵庫を用いる業界(ロジスティック、レストラン、スーパー)により強力な発電機の導入を迫る。
・そもそも発電機は、5-10年間の長期的な電力不足を補うために設計されていない。小規模発電所の建設は、すぐに実現するものではなく、ガス発電も、ガスインフラへの攻撃にされさている。そしてウクライナのガス生産施設は前線の近くに位置している。電力不足は早急に解決できるものではないが、国内ビジネスは新しい現実下で生き残こらねばならず、消費者の財布から支払われることになる。もちろん、新しい効率的なエネルギーインフラを早急に建設することが、ウクライナ人が長期的に生存することを可能とすることは言うまでもない。
2024年06月25日
この記事へのコメント
コメントを書く