2021年01月11日

中国ワクチンに頼るウクライナ

 ニューヨークタイムスにウクライナのワクチン外交が論じられているので簡単に紹介。
 ウクライナはコロナワクチンの点でも、東西間で翻弄されている。ファイザーやその他西側ワクチンとの交渉は、トランプ政権がワクチン輸出を禁止したことにより頓挫した。交渉は続けられているが、供給時期は延び延びになっている。バイデン政権が動かない限り、西側ワクチンは2021年末までにウクライナに届きそうもない。ウクライナ政権の苦境は、ロシアの政府系メディアによって「ウクライナ政権の親西側政策の失敗」として叩かれており、そしてロシア製ワクチンがその代替として提示されている。ウクライナ指導部はロシア製ワクチンの安全性と効果に懸念を表明し、慌てて12月に中国製ワクチンの購入合意に漕ぎつけた。ステパノフ保健大臣は「ロシアはワクチン問題もハイブリッド戦争のネタに用いている。ワクチン問題は政治問題化されている」とインタビューに答えた。
 ゼレンシキー大統領は、アメリカの輸出禁止を受け「ウクライナは列の最後尾に並ばされている。富裕国が列の先頭にいる」と年末の挨拶で語った。中国のSinovac Biotech社が2月初旬に190万容量のワクチンをウクライナに供給することになっている。不十分な量であるが中国の地政学的勝利といえるものである。ウクライナにおけるワクチンをめぐる情報戦は、ロシアによって広がりを見せている。ロシアメディアや親ロ派政治家はゼレンシキー大統領がロシア製ワクチンを拒否してウクライナ人を死に追いやっている、と批判を強めている。
 親ロ派政治家メドヴェドチューク氏は「ウクライナ政府はスプートニクVワクチンを拒否し国民をワクチンなしの状態に放置したいようだ」と批判し、ハリキフの製薬企業BiolikでスプートニクVを製造すべきである、と訴えている。ウクライナの首席医務官リヤシコ氏は「スプートニクVはロシア製だからでなく、臨床試験で欠陥が明らかになったため、ウクライナでは承認されない」と述べているが、ロシア製であるが故に、スプートニクVを拒否する者もウクライナに多い。
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 一方、人民共和国は1月中にスプートニクVが到着とか。がんばれ、メドヴェドチューク同志。
posted by 藤森信吉 at 14:24| Comment(0) | ウクライナ論評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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