沿ドニエストル政府が2024年予算案の基礎となる経済予測を発表したので箇条書きで紹介。
・2024年度予測の前提条件
対外経済活動が現行通りに維持される。対外パートナーとの決済方法が維持される
ガス供給が妨害されず、冶金工場が安定的に稼働、電力輸出が重要な役割を果たす
・2023年
上記前提は2023年末までは劇的に変わらないことが予測される。2023年末の工業生産は3.5%成長。2022年とは異なり、電力、鉄鋼で成長が見込める。国内市場向け食品産業は微成長、東側の貿易パートナーへはアクセス困難であり、機械生産業、鉄加工業に否定的な影響を与える。
好天候が予想されることから、農業部門は前年比18%成長、CPIは年8-10%水準に低下。小売りは10%増。
対外貿易輸出入は1.5%増(輸出額+6%、エネルギー価格の低下により、輸入額は微減)
平均月給与額は6%増
2023年GDP成長率は+4.5%
・2024年
同条件が続けば、工業生産のプラス成長が見込める。農業生産は2023年比で2.3%増
対外貿易輸出入額は2023年比8.4%減、輸出額はマイナス0.7%、輸入額はマイナス10.9%
GDP成長率は1.8%
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2023年末まで現在の状態(天然ガスがロシアから十分に供給される、鉄鋼と発電が阻害されない)が続くと予測しているのは理解できるが、2024年は果たして。
2023年06月17日
2023年06月16日
モルドヴァ駐NATO代表、中立について語る
こちらにチボタル・モルドヴァ駐NATO代表(前国防大臣)のインタビュー記事が掲載されているので簡単に紹介。
・6/15-16、ブリュッセルにおいてNATO加盟国の国防大臣会議が行われ、モルドヴァからも国防大臣が参加する予定である。
・「中立について」
「何年もの間、社会では中立と非武装化は平和をもたらすという理念が推進されてきた。しかし、これは大いなるフェイクであった。打も我々を攻撃の際に守てくれない。今や、我々の政界は目覚め、高暴力の発展の必要性を理解しはじめている。人々に中立は平和を意味しない、と説明しなければならない」
・「NATOとの関係について」
モルドヴァの対NATO関係見直しは2014年から、すなわちドンバスにおける戦争とクリミア併合を受けてはじまった。「ジョージアも同様にロシアの攻撃を受けて同様の行動をとった」 我々はNATOに助けを求め好意的な対応を得た。2014年のNATOウェールズサミットでDCB(Defence and Related Security Capacity Building Initiative)が採択された。2015年、私が国防相のとき、我々しDCBを実現に移したが、2016年ドドンが大統領に就任すると状況は変わってしまった。彼はNATへの接近を好まなかったからだ。DCBは12プログラムあるが、ウクライナ開戦前には、6つが机上に乗せられており、3つが実際に動いていた。開戦後、モドヴァ・NATO関係は強化され、NATOは即座にモルドヴァに支援を行い、また18の計画で強力関係にある。
・「協力の優先順位について」
開戦後、モルドヴァにとって、軍事力の近代化、非軍事機構能力(治安警察)の強化が必要であることが理解された。昨年のNATOマドリードサミットにおいて、既存のDCBプログラムに追加されて新たな援助パッケージがモルドヴァに提供された。領空の防衛に関連した計画、また、アンチドローンシステムやレーダー設備も必要だ。また、生物・化学・核兵器の影響を排除する設備も優先課題だ。ザボリジア原発からのリスクが関連している。今年度、NATOは新たな協力形態を導入する、すなわち、ITPP(国別適合パートナーシップ計画)である。目下、IPAP(個別パート. ナーシップ行動計画)がモルドヴァ・NATO間にある。各国が置かれた具体的な状況に基づき、既存のプログラムを統合する単一の新プログラムが必要であるが、まだ未見である。
・6/15-16、ブリュッセルにおいてNATO加盟国の国防大臣会議が行われ、モルドヴァからも国防大臣が参加する予定である。
・「中立について」
「何年もの間、社会では中立と非武装化は平和をもたらすという理念が推進されてきた。しかし、これは大いなるフェイクであった。打も我々を攻撃の際に守てくれない。今や、我々の政界は目覚め、高暴力の発展の必要性を理解しはじめている。人々に中立は平和を意味しない、と説明しなければならない」
・「NATOとの関係について」
モルドヴァの対NATO関係見直しは2014年から、すなわちドンバスにおける戦争とクリミア併合を受けてはじまった。「ジョージアも同様にロシアの攻撃を受けて同様の行動をとった」 我々はNATOに助けを求め好意的な対応を得た。2014年のNATOウェールズサミットでDCB(Defence and Related Security Capacity Building Initiative)が採択された。2015年、私が国防相のとき、我々しDCBを実現に移したが、2016年ドドンが大統領に就任すると状況は変わってしまった。彼はNATへの接近を好まなかったからだ。DCBは12プログラムあるが、ウクライナ開戦前には、6つが机上に乗せられており、3つが実際に動いていた。開戦後、モドヴァ・NATO関係は強化され、NATOは即座にモルドヴァに支援を行い、また18の計画で強力関係にある。
・「協力の優先順位について」
開戦後、モルドヴァにとって、軍事力の近代化、非軍事機構能力(治安警察)の強化が必要であることが理解された。昨年のNATOマドリードサミットにおいて、既存のDCBプログラムに追加されて新たな援助パッケージがモルドヴァに提供された。領空の防衛に関連した計画、また、アンチドローンシステムやレーダー設備も必要だ。また、生物・化学・核兵器の影響を排除する設備も優先課題だ。ザボリジア原発からのリスクが関連している。今年度、NATOは新たな協力形態を導入する、すなわち、ITPP(国別適合パートナーシップ計画)である。目下、IPAP(個別パート. ナーシップ行動計画)がモルドヴァ・NATO間にある。各国が置かれた具体的な状況に基づき、既存のプログラムを統合する単一の新プログラムが必要であるが、まだ未見である。
2023年06月02日
ゼレンシキー、沿ドニエストル侵攻の選択肢を示唆
こちらによると、
ゼレンシキー・ウクライナ大統領は、ウクライナ軍の沿ドニエストル軍事侵攻は、モルドヴァ側の要請があった場合に可能である、と述べた。
キシナウで開かれたヨーロッパ政治共同体サミットに参加したゼレンシキー大統領は、閉会の記者会見において、ウクライナが単独で沿ドニエストルに侵攻するとの噂を否定し「ウクライナはモルドヴァ政権側からの要請があった場合のみ実行に移し、助力する」と述べた。また大統領は、モルドヴァ側からの要請が過去にあったか問われ「要請はなかった」と答えた。また、大統領は、ウクライナは沿ドニエストルに領土要求しない、「(両岸は)モルドヴァと国家統合されねばならない」と強調した。
ゼレンシキーは、サミットにおいて、ウクライナが戦争で勝利した後にモルドヴァは統合されることを確信している、とも述べていた。
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沿ドニエストルは、かつてウクライナ社会主義ソビエト共和国領であったので領土要求はできなくもないが、否定。
沿ドニエストルへの軍事侵攻は、2022年5月頃にモルドヴァ側に打診したが賛同されなかった、という説があったが、ゼレンシキーの今般の発言は、却ってそれを裏付けることになっている。2022年5月というと「沿ドニエストル側からの侵攻でウクライナを挟撃」と我々は踊っていたが、実際の情勢は「ウクライナ側から侵攻で沿ドニエストルを挟撃」に近かったようだ。
沿ドニエストルは本当にガクブルだろう。今やロシアは頼りにならない、経済的には天然ガスの供給が怪しくなっている、ウクライナが軍事圧力を示唆。ナゴルノカラバフの次は沿ドニエストルなのか。
ゼレンシキー・ウクライナ大統領は、ウクライナ軍の沿ドニエストル軍事侵攻は、モルドヴァ側の要請があった場合に可能である、と述べた。
キシナウで開かれたヨーロッパ政治共同体サミットに参加したゼレンシキー大統領は、閉会の記者会見において、ウクライナが単独で沿ドニエストルに侵攻するとの噂を否定し「ウクライナはモルドヴァ政権側からの要請があった場合のみ実行に移し、助力する」と述べた。また大統領は、モルドヴァ側からの要請が過去にあったか問われ「要請はなかった」と答えた。また、大統領は、ウクライナは沿ドニエストルに領土要求しない、「(両岸は)モルドヴァと国家統合されねばならない」と強調した。
ゼレンシキーは、サミットにおいて、ウクライナが戦争で勝利した後にモルドヴァは統合されることを確信している、とも述べていた。
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沿ドニエストルは、かつてウクライナ社会主義ソビエト共和国領であったので領土要求はできなくもないが、否定。
沿ドニエストルへの軍事侵攻は、2022年5月頃にモルドヴァ側に打診したが賛同されなかった、という説があったが、ゼレンシキーの今般の発言は、却ってそれを裏付けることになっている。2022年5月というと「沿ドニエストル側からの侵攻でウクライナを挟撃」と我々は踊っていたが、実際の情勢は「ウクライナ側から侵攻で沿ドニエストルを挟撃」に近かったようだ。
沿ドニエストルは本当にガクブルだろう。今やロシアは頼りにならない、経済的には天然ガスの供給が怪しくなっている、ウクライナが軍事圧力を示唆。ナゴルノカラバフの次は沿ドニエストルなのか。