こちらに、ウクライナで現金決済が復活していることが論じられているので簡単に紹介。
・最大限、電気・通信に依存している金融システムが、現在、制限されている。ロシアのロケット攻撃に苦しめられているが、国内銀行システムは停電を想定しており、ブラックアウト時も遮断されない準備をしてきた。11月23日のロシアの攻撃後、ウクライナ国立銀行は、銀行システムは安定している、銀行カードはサービスを受けられる、非通貨支払いは正常の機能しており、ATMや銀行窓口を通じて資金にアクセスできる、と発表した。
しかし、電気と通信がないため、金融システムの業務はサービスを中止した。専門家は、支出の2-3か月分を現金で所持することを推奨している。昨年度の一家計の一か月の平均的な支出額は10000万フリブナ強であった。停電に備えた準備にはいくつかの問題がある。
1. 非通貨決済は続くのか
金融システムは停電でも機能しているが、街中の端末、決済サービスは停電時には機能しないため、現金決済となる。
2. 停電時にどこで現金を引き出せるのか
街中の端末で引き出せない場合、銀行に直接出向いて引きだすしかない。
3.営業している銀行をどうやって見つけるのか
ウクライナ国立銀行は750以上の主要銀行の営業箇所を公開している。
4.現金の準備は潤沢にあるのか
国立銀行によると、2-3月時にもウクライナ国立銀行は、追加増刷に迫られておらず、2020年のコロナ禍においても、現金の準備を命令してきた。現金は今も将来も十分にある、としている。
5. 経費の自己負担は増えるのか
現時点ではない。手数料なしの現金引き出しは可能である。また、プリヴァトバンクは一回当たりの引き出し上限額を20000フリブナまで引き上げた。
突然の停電、通信遮断で、非通貨決済が拒否される、キャンセルされる可能性があり、これに備える必要はある。また、引き出し端末に銀行カードが「食われる」ことにも注意しなければならない。現金主義にも注意が必要だ。破損、偽札、盗難の危険性はある。
2022年11月29日
2022年11月06日
2023年予算採択
こちらに、ウクライナの2023年度予算の注目ポイントが論じられているので紹介。
・ウクライナ最高会議は2023年予算を採択した。膨大な戦費支出を伴うものであり、同時に膨大な財政赤字を計上している。国際パートナーの支援なしには巨大な穴を埋めることはできない。
1.軍事支出(国防省、国家保安庁、内務省、国境警備庁)
歳出の43%、予想GDP比18%を占める
2.社会保障
軍事費に次ぐ優先度で、歳出の17%を占める。年金、補助金、生活保護。
3.巨大な財政赤字
財政赤字はGDP比20.6%。政府は国内で907億フリブナ、国外で1.6兆フリブナを調達予定。大統領を含む政府関係者は、2023年は380億どるを国際パートナーから調達予定、と述べている。西側の援助が不十分な場合、国立銀行が通貨を増刷することになる。
3.ロシアの侵略からの復興費
355億フリブナが充てられている(歳出比14%)。今日、最も必要とされているのは侵攻で受けた被害からの復興費であり、国際パートナーや差し押さえられたロシア資産が充てられることが期待されている。
・ウクライナ最高会議は2023年予算を採択した。膨大な戦費支出を伴うものであり、同時に膨大な財政赤字を計上している。国際パートナーの支援なしには巨大な穴を埋めることはできない。
1.軍事支出(国防省、国家保安庁、内務省、国境警備庁)
歳出の43%、予想GDP比18%を占める
2.社会保障
軍事費に次ぐ優先度で、歳出の17%を占める。年金、補助金、生活保護。
3.巨大な財政赤字
財政赤字はGDP比20.6%。政府は国内で907億フリブナ、国外で1.6兆フリブナを調達予定。大統領を含む政府関係者は、2023年は380億どるを国際パートナーから調達予定、と述べている。西側の援助が不十分な場合、国立銀行が通貨を増刷することになる。
3.ロシアの侵略からの復興費
355億フリブナが充てられている(歳出比14%)。今日、最も必要とされているのは侵攻で受けた被害からの復興費であり、国際パートナーや差し押さえられたロシア資産が充てられることが期待されている。
2022年11月02日
クレムリンのトルコガスハブ計画
こちらにロシアの黒海経由ガス輸送計画についての論評があるので簡単に紹介。(ウクライナ・メディアなので批判的です、念のため)
・プーチン大統領はエネルギー週間2022において、ロシアはノルドストリームから黒海地域の輸送に切り替え、トルコにガスハブを作る考えを披露した。トルコ側はアゼルバイジャンにも提案しているとしたが、バクーは経済合理性を求めている。ガスハブは製品の所有権をやりとりするポイント、場所であり、先物契約の調印と物理的な取引(ガス現物の輸送、分岐インフラ)、そして金融サービスが発展している必要である。トルコについてみると以下の問題がある。
1.トルコはガス備蓄庫が不十分である。国内市場の20%をカバーするにすぎない。
2.ロシア南部にガス資源がなく、また追加的な輸送容量がない。高硫黄のガス輸送は黒海で規制の対象となっている。
3. EU諸国でのロシアガスの需要の欠如、トルコからオーストリア・ドイツに向かう輸送インフラの欠如
4. EU法の遵守
5.トルコリラの減価。
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以下は省くが、オチとしては、ウクライナの方がハブの可能性がある、戦争で勝てばトルコ・ハブは霧散、ウクライナ軍を支援しよう、という結び。
・プーチン大統領はエネルギー週間2022において、ロシアはノルドストリームから黒海地域の輸送に切り替え、トルコにガスハブを作る考えを披露した。トルコ側はアゼルバイジャンにも提案しているとしたが、バクーは経済合理性を求めている。ガスハブは製品の所有権をやりとりするポイント、場所であり、先物契約の調印と物理的な取引(ガス現物の輸送、分岐インフラ)、そして金融サービスが発展している必要である。トルコについてみると以下の問題がある。
1.トルコはガス備蓄庫が不十分である。国内市場の20%をカバーするにすぎない。
2.ロシア南部にガス資源がなく、また追加的な輸送容量がない。高硫黄のガス輸送は黒海で規制の対象となっている。
3. EU諸国でのロシアガスの需要の欠如、トルコからオーストリア・ドイツに向かう輸送インフラの欠如
4. EU法の遵守
5.トルコリラの減価。
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以下は省くが、オチとしては、ウクライナの方がハブの可能性がある、戦争で勝てばトルコ・ハブは霧散、ウクライナ軍を支援しよう、という結び。