こちらにウクライナの外貨準備高についての議論があるので簡単に紹介。
・ウクライナの外貨準備高は年始に310億ドルを記録した後、漸減を続け224億ドルまで落ちている。
・外準減少に理由は何か。2021年末、ロシア侵攻の可能性をメディアが報じた結果、外貨需要が高まり国立銀行は外準を積み上げた。開戦後、住民は外貨買いに走り、また港が封鎖されたため輸出による外貨収入がなくなった。
1)第一の問題は経常収支のマイナスである。上半期の貿易赤字は68億ドルである。政府は輸入をしやすくるため、関税手数料・VAT免除などを講じている。一部の議員はこの決定に対し「600億フリブナの穴はどうやって埋めるんだ」と憤慨している。
2)第二の問題は通貨発給量の増加である。歳入減・歳出増により、2/24以降に国立銀行は2550億フリブナを「増刷」している。余剰フリブナは為替市場に流れ込み、あるいは輸入代金に充てられる。この余剰は外貨準備高からの外貨売りによって解消される。
3)第三の問題は国外避難民の外貨引き出しである。彼らは国外でお金を使い果たすと、ウクライナから外貨を引き出すことになる。
・急激な外準の減少はインフレの亢進を招く。2015年2月には56億ドルも減少し、為替レートは8フリブナ/ドルの天井を突破して30フリブナ/ドルまで急落、インフレは2014年には24.9%だったが2015年は43.3%だった。2022年はもっか年率20%超で推移している。
・最悪のシナリオを避けるにはどうするべきか。まず、「増刷」をコントロールすることだ。国債発行ばかりでなく、例えば輸入品に対する関税手数料で外準を支えることも考えられている。この点から輸入品代金のための外貨購入に対し10%を課税することが国立銀行および財務省から提案されている。
・その他、エネルギー輸入に対する関税手数料の増額、タバコ・アルコール輸入への課税、高級車を含むぜいたく品輸入に対する課税なども考えられる。
・フリブナの切り下げも一つの案だ。国立銀行は、公式為替レートを29.25フリブナ/ドルから36.6に切り下げたが、経常収支に変化がなければ、さらに45-50フリブナ/ドルへの切り下げもある。
・しかしながら、外準減少が僅か85億ドルという点は、財政援助を行った西側パートナーのおかげである。財務省によれば、年始からウクライナは140億ドルを受け取っている。外貨準備高は今後の国際的な援助に依存している。
2022年08月26日
2022年08月19日
ロシア・モルドヴァ貿易戦争
こちらによると、ロシア外務省は、ロシア連邦獣医植物検疫監督庁(Россельхознадзор)のモルドヴァ産野菜禁輸について、いかなる政治的な背景はない、と述べた。
ネチャエフ・ロシア外務省情報報道副局長はブリーフィングにおいて「モルドヴァ側は農産品の禁輸に政治的な要素があるとしているが、似たような防疫措置は世界中で採用されている。モルドヴァ側は自国農産品がロシアの検疫条件に沿うことに傾注すべきだ」と述べた。
8月15日、ロシア連邦獣医植物検疫監督庁は、モルドヴァの31地区からの野菜・フルーツの輸入を禁止する措置を発表した。これに対し、モルドヴァ外務・ヨーロッパ統合大臣は、禁輸は政治と関連している、と述べていた。
また、こちらによると、モルドヴァ農相は、禁輸問題解決のため、両国の専門家を加えた作業部会を立ち上げることを発表した。
ネチャエフ・ロシア外務省情報報道副局長はブリーフィングにおいて「モルドヴァ側は農産品の禁輸に政治的な要素があるとしているが、似たような防疫措置は世界中で採用されている。モルドヴァ側は自国農産品がロシアの検疫条件に沿うことに傾注すべきだ」と述べた。
8月15日、ロシア連邦獣医植物検疫監督庁は、モルドヴァの31地区からの野菜・フルーツの輸入を禁止する措置を発表した。これに対し、モルドヴァ外務・ヨーロッパ統合大臣は、禁輸は政治と関連している、と述べていた。
また、こちらによると、モルドヴァ農相は、禁輸問題解決のため、両国の専門家を加えた作業部会を立ち上げることを発表した。
2022年08月12日
モルドヴァ、沿ドニエストル・カードでガス危機を回避か
こちらによると、モルドヴァはガス危機に際して「沿ドニエストル・カード」を交渉で用いる可能性が出てきた。
モルドヴァ政府は、ロシアガスの供給縮小・停止に備えて3つのシナリオを策定中である。スピィヌゥ・インフラ大臣は、ガスプロムがガス供給を停止した場合、ウクライナから電力供給を受けることで合意していると述べた。というのも、沿ドニエストルは、ガス発電しているモルドヴァ国家地区発電所(МГРЭС、沿ドニエストル)から電力を購入しているからだ。
ガスプロムは供給停止か、モルドヴァガス社との契約を終了できる。第一に契約書で義務とされたモルドヴァガス社債務の監査が行われておらず、ガスプロム社は5月1日以降、契約を終了することができる立場にある。第二に現行の供給に対し、価格高騰のためモルドヴァガス社が支払いをできない可能性がある。国内ガス料金の引き上げは不十分でモルドヴァガス社は損失を蒙る。
一方で、契約によれば、9月1日までに両者は次の12か月のガス供給量を見直す権利があり、9月1日以降にガス供給量が削減される可能性がある。
モルドヴァのガスプロムに対する主たる交渉カードは沿ドニエストルのガス依存体質である。モルドヴァは30億m3のガスを州日するが、内18億m3は沿ドニエストルである。スピィヌゥ大臣は、モルドヴァガス社を迂回した沿ドニエストルへのガス供給は合意しない、と述べている。沿ドニエストルカードのおかげで、モルドヴァはガスなしを免れる、と指摘する専門家もいる。また、ステゥルザ元首相も「ガス供給縮小の可能性は低い、文字通り沿ドニエストルを凍結させ、ガスなし、電力なし、安定した歳入源を損なうことになる。原油価格が低迷傾向にあるため、価格フォーミュラのおかげで、ガス価格は現行から40-50%減となる、したがって電力価格も変わらないか、下がる可能性すらある。一方で、ガスプロムがガス供給を停止した場合、モルドヴァはヤッシ・キシナウ・パイプラインでガスを輸入できる。量的には大きくないが、右岸が冬季を越せる量は確保できる」とfacebook上で記している。
また、トフィラト前大統領エネルギー問題顧問は、「沿ドニエストル・カード」で、より条件が良い合意すら可能である、と見ている。「ロシアがガスをカットすると、沿ドニエストルへの影響力を失うことになる。ガスがなければ沿ドニエストルは人道的な危機に陥り、国家統合が崩れる。このシナリオでは、沿ドニエストルから避難民が出て、駐留ロシア軍との関わり問題が出てくる。この件も、政府のシナリオの一部に盛り込まれねばならない」と述べている。
モルドヴァ政府は、ロシアガスの供給縮小・停止に備えて3つのシナリオを策定中である。スピィヌゥ・インフラ大臣は、ガスプロムがガス供給を停止した場合、ウクライナから電力供給を受けることで合意していると述べた。というのも、沿ドニエストルは、ガス発電しているモルドヴァ国家地区発電所(МГРЭС、沿ドニエストル)から電力を購入しているからだ。
ガスプロムは供給停止か、モルドヴァガス社との契約を終了できる。第一に契約書で義務とされたモルドヴァガス社債務の監査が行われておらず、ガスプロム社は5月1日以降、契約を終了することができる立場にある。第二に現行の供給に対し、価格高騰のためモルドヴァガス社が支払いをできない可能性がある。国内ガス料金の引き上げは不十分でモルドヴァガス社は損失を蒙る。
一方で、契約によれば、9月1日までに両者は次の12か月のガス供給量を見直す権利があり、9月1日以降にガス供給量が削減される可能性がある。
モルドヴァのガスプロムに対する主たる交渉カードは沿ドニエストルのガス依存体質である。モルドヴァは30億m3のガスを州日するが、内18億m3は沿ドニエストルである。スピィヌゥ大臣は、モルドヴァガス社を迂回した沿ドニエストルへのガス供給は合意しない、と述べている。沿ドニエストルカードのおかげで、モルドヴァはガスなしを免れる、と指摘する専門家もいる。また、ステゥルザ元首相も「ガス供給縮小の可能性は低い、文字通り沿ドニエストルを凍結させ、ガスなし、電力なし、安定した歳入源を損なうことになる。原油価格が低迷傾向にあるため、価格フォーミュラのおかげで、ガス価格は現行から40-50%減となる、したがって電力価格も変わらないか、下がる可能性すらある。一方で、ガスプロムがガス供給を停止した場合、モルドヴァはヤッシ・キシナウ・パイプラインでガスを輸入できる。量的には大きくないが、右岸が冬季を越せる量は確保できる」とfacebook上で記している。
また、トフィラト前大統領エネルギー問題顧問は、「沿ドニエストル・カード」で、より条件が良い合意すら可能である、と見ている。「ロシアがガスをカットすると、沿ドニエストルへの影響力を失うことになる。ガスがなければ沿ドニエストルは人道的な危機に陥り、国家統合が崩れる。このシナリオでは、沿ドニエストルから避難民が出て、駐留ロシア軍との関わり問題が出てくる。この件も、政府のシナリオの一部に盛り込まれねばならない」と述べている。
2022年08月10日
モルドヴァ、ガス危機の瀬戸際
こちらによると、モルドヴァはガスプロムに対し8月分の決済ができない見込みである。
チェバン・モルドヴァガス社長は、同社には十分な資金がなく8月消費分のガス代金をガスプロムに支払うことはできない、7月分は決裁したが、8月分の前払いは支払っていない。ガスプロムに対し支払い延期を打診しているが返答はない」と述べた。
国家エネルギー規制局は、8月4日に、ガス料金を18.62レイ/m3から23レイに引き上げ、8月1日から適用を開始した。しかしモルドヴァガス社は29.48レイを求めていた。8月のガスプロムからの購入価格は1458ドル/1000m3、9月は1692ドルであるが、国家エネルギー規制局の計算式で行くと、2022年の平均購入価格899ドル/1000m3から料金が算出されることになる。
また、こちらによると、アガフイテイ・モルドヴァ首相顧問は冬季に向て備蓄は十分にあり、またルーマニアー、その他EU諸国からガス輸入を行う交渉も行っている、と述べた。7月29日にはサンドゥ大統領がルーマニア大統領と会談し、ルーマニア領でガスを購入する意向を伝えていた。
チェバン・モルドヴァガス社長は、同社には十分な資金がなく8月消費分のガス代金をガスプロムに支払うことはできない、7月分は決裁したが、8月分の前払いは支払っていない。ガスプロムに対し支払い延期を打診しているが返答はない」と述べた。
国家エネルギー規制局は、8月4日に、ガス料金を18.62レイ/m3から23レイに引き上げ、8月1日から適用を開始した。しかしモルドヴァガス社は29.48レイを求めていた。8月のガスプロムからの購入価格は1458ドル/1000m3、9月は1692ドルであるが、国家エネルギー規制局の計算式で行くと、2022年の平均購入価格899ドル/1000m3から料金が算出されることになる。
また、こちらによると、アガフイテイ・モルドヴァ首相顧問は冬季に向て備蓄は十分にあり、またルーマニアー、その他EU諸国からガス輸入を行う交渉も行っている、と述べた。7月29日にはサンドゥ大統領がルーマニア大統領と会談し、ルーマニア領でガスを購入する意向を伝えていた。
2022年08月02日
モルドヴァ、ガスプロムの天然ガス供給ゼロも想定
こちらによると、モルドヴァ政府は冬季のガス消費のマイナス15%を提起する可能性がある。
スピヌゥ・モルドヴァ・インフラ担当大臣によると、政府は、ガスプロムとのガス契約解除も含めた冬季のシナリオを提起することになる。それによると、ウクライナ向けロシア・ガスは、マイナス35%、マイナス50%、完全停止、の3つのシナリオが検討されている。「我々はとにかく可能な限りガス需要を減らすための動員が必要となる。最低でも、EU諸国が行うのと同様に、マイナス15%の自主的な消費減を提起することになる、今冬は、モルドヴァおよびその住民にとっては厳しいシーズンとなる」と述べた。また、政府は戦略的なガス備蓄について既に2400万m3積み上げていることを明らかにした。
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説明すると、モルドヴァ側がガスプロムとの契約条項の一つ(過去の債務の監査)を不履行状態なので、いつ契約が切られてもおかしくない。切られると、モルドヴァはルーマニアかウクライナ経由でガスを回してもらうことになるが、いずれにしてもEU市場価格になるので、価格的に耐えられない。
スピヌゥ・モルドヴァ・インフラ担当大臣によると、政府は、ガスプロムとのガス契約解除も含めた冬季のシナリオを提起することになる。それによると、ウクライナ向けロシア・ガスは、マイナス35%、マイナス50%、完全停止、の3つのシナリオが検討されている。「我々はとにかく可能な限りガス需要を減らすための動員が必要となる。最低でも、EU諸国が行うのと同様に、マイナス15%の自主的な消費減を提起することになる、今冬は、モルドヴァおよびその住民にとっては厳しいシーズンとなる」と述べた。また、政府は戦略的なガス備蓄について既に2400万m3積み上げていることを明らかにした。
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説明すると、モルドヴァ側がガスプロムとの契約条項の一つ(過去の債務の監査)を不履行状態なので、いつ契約が切られてもおかしくない。切られると、モルドヴァはルーマニアかウクライナ経由でガスを回してもらうことになるが、いずれにしてもEU市場価格になるので、価格的に耐えられない。
ウクライナの電力輸出
こちらにウクライナの電力輸出問題が論じられているので簡単に紹介。
7月28日、EUはウクライナ電力輸出量を2.5倍することを許可した。同日から、ウクライナ・EU間の電力システムは250MWに強化された。8月1日時点では、EU内3か国(スロヴァキア、ポーランド、ルーマニア)とモルドヴァがウクライナ電力を輸入している。ハンガリーは以前は輸入国であったが、今は輸入を行っていない。EUは冬季のガス消費を15%減らすことを決定しており、ロシアとのガス戦争と相俟って、EU消費者にとってガス、石炭、電力価格が上昇している。ウクライナの電力輸出で、これら諸国は冬季にむけた準備を整え、電力料金引き上げを抑制することができる。ウクライナはヨーロッパへ電力輸出すればするほど、戦費を稼ぐことができる。
ウクライナの電力が70-76ユーロ/MWhとすると、EU諸国の電力は例えばポーランドでは295ユーロ、ルーマニア、スロヴァキアは466-542ユーロ、と遥かに高い。8月30日のデータによると、主としてポーランドに90-205ユーロ/MWhで輸出した。ウクライナは商業的な電力輸出を、EU電力システムとの同期後の3月から始めた。最大の輸出者は、アフメトフ氏のDTEK社である。最大650MWh輸出可能であり、国営企業エネルホアトム、ウクルヒドロエネルホも輸出可能である。
ところで、ウクライナは自国の電力は足りているのだろうか。夏季、ウクライナは電力余剰が観察されている。つまり、国内消費を完全にカバーできている。戦争により、国内電力消費は30-35%下がった、とヤネス・コバチ氏は指摘している。同氏の試算によれば、エネルホフトムの原発だけで、5GWhあり、Statcomシステムを整備できれば、最大2.5GWhまで輸出力を増やせる。仮に2.5GWhまで輸出できれば、年700億フリブナ以上の収入を得ることができる。
冬季になって、ウクライナ国内で電力危機は起きない。閣僚会議は、ウクライナ国内生産ガスの輸出を禁止し、一方でEUからのガス輸入を継続して、冬季までに190億m3のガス備蓄を積み上げている予定だ。
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ロシア占領下にあるザポリジャ原発が電力網から切り離されるとか、発電所が攻撃されることは想定していないようです。
7月28日、EUはウクライナ電力輸出量を2.5倍することを許可した。同日から、ウクライナ・EU間の電力システムは250MWに強化された。8月1日時点では、EU内3か国(スロヴァキア、ポーランド、ルーマニア)とモルドヴァがウクライナ電力を輸入している。ハンガリーは以前は輸入国であったが、今は輸入を行っていない。EUは冬季のガス消費を15%減らすことを決定しており、ロシアとのガス戦争と相俟って、EU消費者にとってガス、石炭、電力価格が上昇している。ウクライナの電力輸出で、これら諸国は冬季にむけた準備を整え、電力料金引き上げを抑制することができる。ウクライナはヨーロッパへ電力輸出すればするほど、戦費を稼ぐことができる。
ウクライナの電力が70-76ユーロ/MWhとすると、EU諸国の電力は例えばポーランドでは295ユーロ、ルーマニア、スロヴァキアは466-542ユーロ、と遥かに高い。8月30日のデータによると、主としてポーランドに90-205ユーロ/MWhで輸出した。ウクライナは商業的な電力輸出を、EU電力システムとの同期後の3月から始めた。最大の輸出者は、アフメトフ氏のDTEK社である。最大650MWh輸出可能であり、国営企業エネルホアトム、ウクルヒドロエネルホも輸出可能である。
ところで、ウクライナは自国の電力は足りているのだろうか。夏季、ウクライナは電力余剰が観察されている。つまり、国内消費を完全にカバーできている。戦争により、国内電力消費は30-35%下がった、とヤネス・コバチ氏は指摘している。同氏の試算によれば、エネルホフトムの原発だけで、5GWhあり、Statcomシステムを整備できれば、最大2.5GWhまで輸出力を増やせる。仮に2.5GWhまで輸出できれば、年700億フリブナ以上の収入を得ることができる。
冬季になって、ウクライナ国内で電力危機は起きない。閣僚会議は、ウクライナ国内生産ガスの輸出を禁止し、一方でEUからのガス輸入を継続して、冬季までに190億m3のガス備蓄を積み上げている予定だ。
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ロシア占領下にあるザポリジャ原発が電力網から切り離されるとか、発電所が攻撃されることは想定していないようです。
モルドヴァ、8月の輸入天然ガス価格 50%増
こちらによると、8月のモルドヴァの天然ガス輸入価格は1458ドル/1000m3となった。
チェバン・モルドヴァガス社長はtelegram上で「ガスプロムとの契約によってモルドヴァに供給される天然ガスの8月の購入単価は1458.5ドル/1000m3となった」と発表した。7月の購入価格は980ドル/1000m3で、478ドルアップとなる。
モルドヴァガス社は、国家エネルギー規制委員会に対し、公共料金を29.48レイ(VAT込み)/m3に引き上げるよう要請していたが、7月14日の委員会決定では、18.62レイからの引き上げは22.26レイにとどまっていた。
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1ドル=19.3レイくらいなので、1458ドル/1000m3=28レイ/m3。公共料金のさらなる引き上げは不可避で、冬のエネルギー危機が来る前に政治危機が来そうだ。
チェバン・モルドヴァガス社長はtelegram上で「ガスプロムとの契約によってモルドヴァに供給される天然ガスの8月の購入単価は1458.5ドル/1000m3となった」と発表した。7月の購入価格は980ドル/1000m3で、478ドルアップとなる。
モルドヴァガス社は、国家エネルギー規制委員会に対し、公共料金を29.48レイ(VAT込み)/m3に引き上げるよう要請していたが、7月14日の委員会決定では、18.62レイからの引き上げは22.26レイにとどまっていた。
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1ドル=19.3レイくらいなので、1458ドル/1000m3=28レイ/m3。公共料金のさらなる引き上げは不可避で、冬のエネルギー危機が来る前に政治危機が来そうだ。