モルドヴァの人口動態は危機的である。国外に移民し、出生率も低下している。国勢調査によれば2004年には338万人であったが、2014年には290万人となっている。合計特殊出生率は1.6であり、平均寿命はEU諸国平均より10-13歳低い。男性は64.9歳、女性は73.7歳である。年間4万人が死亡しているが、内1万人は老齢に達する前に死去している。
人口危機の最大の原因は、移民である。2015年だけで2.3万人が国外移住した。2008年は4.7万人が移住した。今日のテンポは2004-2006年期のレベルである。移民は25-45歳に集中しており、代替困難である。モルドヴァの社会経済情勢が関係しており、キシナウやバルツィは国内からの移住者を受け入れている。辺境の人々は、首都に行くか、国外に行くかしかない。2035年までのシナリオは3つある。
1.現在の出生率と移民が継続する。2035年に人口は200万人になる。
2.合計特殊出生率は1.85に上昇し、寿命も3-5歳に伸びる。国外移民は半数になる。この場合、人口は230万人になる。
3.出生率は2.1、寿命は6-7歳延び、国外移民はゼロになる。この場合、人口は250万人になる。
どのシナリオにせよ、60歳以上の人口比率は段階的に増加する。出生率の改善は現況では不可能であり、人口減少は避けられず、この過程を緩和させることしかできない。
ラベル:モルドヴァ