2016年05月31日

沿ドニエストルの2015年度経済統計

 こちらに沿ドニエストル共和国の2015年度経済統計が発表されているので、簡単に紹介。
・工業 工業生産高はドル建てでマイナス15.5%(2014年比)、電力プラス15.7%、冶金マイナス18.1%他
・対外貿易 輸出は6億1100万ドル(マイナス14.7%)、輸入は11億3850万ドル(マイナス30.5%)。
 輸出品構成は電力 37.2%、鉄鋼21.3%他。
 輸出先はモルドヴァ(49.1%)、ルーマニア(15.5%)、ウクライナ(8.4%)、ロシア(7.8%)、イタリア、ドイツ、ポーランド他。ロシアのシェアは14%から急落。
 輸入品構成は燃料・エネルギー50.5%、鉄鋼その他鉄製品 11.9%、機械設備10.4%、食料品8.8%他
 輸入先はロシア51.6%、ウクライナ14.2%、モルドヴァ6.8%、ベラルーシ4.3%、ドイツ、イタリア、ポーランド
・消費者物価指数は98.23%、小売り売上高はマイナス26.4%
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専門家の予想通り、消費が大減速。デフレではなく、出稼ぎ先の不況、輸出企業の不振による可処分所得の低下が原因。
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2016年05月30日

モスクワ主教座、信者を失う

 ラズムコフ・センターの調査によると、ウクライナ正教モスクワ主教座は2016/2014年比で、信者数を減らした。
 ラズムコフ・センターの社会調査によると、2014年時の調査結果と比較して、正教信徒と回答したものが76.0%から70.4%に減少した。
・地域別にみると、西部が91.0%と最も信心深く、東部(55.6%)、ドンバス(57.2%)が少ない。
・正教徒(65.4%)、ギリシャ・カトリック教徒(6.5%)、プロテスタント(1.9%)、ムスリム(1.1%)、ローマ・カトリック教徒1.0%)、キリスト教徒(7.1%)他
・ギリシャ・カトリック信徒は西部で29.9%、その他地域は1%以下。
・ローマ・カトリック信徒は西部で1.4%、中央部で1.9%、その他地域では1%以下。
・ウクライナ正教モスクワ主教座の信徒と答えた者は17.4%から15.0%に、同キエフ主教座と答えた者は22.4%から25.0%へ、単なる正教徒と答えた者は28.1%から21.2%へ。
・ウクライナの国教は
 決めるべきではない(88.3%)、ウクライナ正教キエフ主教座(5.1%)、正教(2.3%)、ウクライナ正教(0.9%)
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 2016年調査は、ドンバス占領地域抜きなので、単純な比較はできないが、2000年以降の大きな傾向としては
・2014年のウクライナ危機で信仰心がピークをつけ、その後低下。
・キエフ主教座の信徒と回答する率が増加を続けており、モスクワ主教座を引き離す
・正教徒が明確に自分の宗派(モスクワ主教座・キエフ主教座)を意識する傾向
・大多数は特定の宗派の国教化に反対
・ウクライナ西部は他の地域と異なる宗教観

 付け加えると、この調査では地域を「西部、中央部・東部・ドンバス・南部」と分けているので、ウクライナ西部7州だけを取り上げて東西ウクライナ分裂、とはなりません、念のため。ガリツィア人はウクライナ人ではない、というプーチンのウクライナ認識はこのあたりもベースにしているのだろう。
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2016年05月29日

ゴルバチョフ、ウクライナに入国禁止

 こちらによると、ゴルバチョフ元ソ連大統領にウクライナ入国禁止措置がとられた。
 ゴルバチョフ氏(85歳)はSunday Times紙とのインタビューにおいて、クリミア併合を支持する発言を行っていた。ウクライナ安全保障庁は、ゴルバチョフ氏を「ウクライナ領土保全の侵害を承認した人物」としてブラックリスト入りの措置をとった。ヘラシチェンコ議員(人民戦線所属)は、EU代表部に、ゴルバチョフ氏に対しEU入国禁止措置をとるよう、提案することを約束した。ゴルバチョフ氏はヘラシチェンコ氏の発言に対し、現政権下ではウクライナに渡航するつもりはない、と述べた。



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 ゴルバチョフも嫌な経験があるクリミアには行きたくないはず。ウクライナ当局の思いやり措置。
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2016年05月28日

オスランド「ウクライナは2030年までにEU加盟できる」

 オスランド(Anders Åslund)氏によると、ウクライナは2030年までにEUに加盟することができる。
 次の15年間にEU加盟という野心的な目標を達成するには、ウクライナは毎年、6-7%の経済成長が必要なになる。ウクライナには、財政の安定、EU市場へのアクセス、ヨーロッパへのビザなし渡航、民営化と規制緩和、政治改革、国家機構・司法改革、そして2030年EU加盟を優先化しなければならない。公共支出はGDP比53%から44%へカットされたが、ルーマニアやリトアニア水準の35%に引き下げる必要がある。所得税は45%から22%に、年インフレ率も10%以下に、そして公定レートも20%以下になることで投資に火が付く。
 EUとの連合協定の品目は拡大されなければならない。農業が主たる成長エンジンになろう。現在、数万のウクライナ人がEUで高等教育を受け、数百万が働き、貴重な経験を得ている。90年代のポーランドのように、彼らが新しい知見・技術を持ち帰ることで、改革への圧力が生じる。
 ウクライナは独占市場と汚職まみれの国家介入を一掃する必要があり、国営企業は民営化されねばならない。
 汚職対策を阻むものは、司法の汚職であり、東独、エストニア、ジョージアの例に続かなければならない。EUの圧力が助けとなろう。この道のりがうまくいけば、ポロシェンコ大統領がいうように2020年にはEU加盟申請の用意が整うことになり、2030年には加盟となる。
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2016年05月27日

ティモシェンコ、支持率トップに

 キエフ国際社会学研究所が世論調査結果を発表したので簡単に紹介。
・2016年5月13-18日、ウクライナ全土(クリミアおよびドンバス占領地域除く)、2039人を対象。
・ポロシェンコ大統領がオフショワ企業と関係していると報道されているが、この件で辞職すべきと思うか。
 辞職すべき 48.6%、どちらかというすべき 17.5%、どちらかというとすべきでない 9.3%、無条件で辞職すべき6.3% 回答困難 18.3%
・ルツェンコの検事総長任命について
 肯定的 20.3%、否定的 59.5%、回答困難 20.2%
・この日曜日に大統領選挙が行われた場合の投票先(投票参加者のみ)
 ティモシェンコ 21%、リヤシコ14.6%、ポロシェンコ13.5%、フリツェンコ12.7%、サドーヴイ10.9%、ボイコ8.4%、ヤロシ4% 以下略



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ティモシェンコの祖国党は他機関の世論調査でトップ。今までのウクライナ政治のパターンからするとそろそろ大統領陣営の再選作戦が開始されるはず。ポピュリスト対オリガルヒの図式が見れそうだ。
 古い記事だが、拙稿「美しすぎる政治家」ユリア・ティモシェンコの復活 はこちら

 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44731
posted by 藤森信吉 at 10:41| Comment(0) | 世論調査 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月26日

サフチェンコ、ウクライナに帰還

  25日、ナジェージュダ・サフチェンコがキエフに帰還した。ロシア人ジャーナリスト殺害を問われロシアに拘留されたサフチェンコは、ウクライナ側に逮捕・有罪宣告されていたロシアの諜報員二名との交換で、キエフ・ボリスピリ空港へ到着した。 
 ポロシェンコ大統領は、ウクライナ英雄勲章「黄金の星」を授与した。大統領は、709日間にわたり拘留されたサフチェンコは「ウクライナ、ウクライナ女性、ウクライナ軍のごとく、誇りと抵抗のシンボルである」としたうえで、サフチェンコが帰還したように、ドンバス、クリミアもウクライナ主権下に戻る、と述べた。

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 ボリスピリ空港におけるグダグダ記者会見に注目。誰か組織しろよ…
 なお、こちらによると、「サフチェンコに殺害された」ロシア人ジャーナリストの遺族が、プーチン大統領と面談し、「サフチェンコ恩赦」を求めた。23日にメドヴェドチュークと遺族が会談した結果、恩赦を求めるに至ったとのこと。メドヴェドチューク(かつてのウクライナのオリガルヒ、ミンスク会談でウクライナ側の一員)に花をもたせるプーチン。
 因みにサフチェンコは、ティモシェンコの「祖国党」所属のウクライナ最高会議代議員。いつ登壇しますか。
posted by 藤森信吉 at 11:29| Comment(0) | ウクライナ論評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月25日

スルコフ、ドンバスで予備選挙実施を画策

こちらによると、DNRはドネツク市全地区で予備選挙を行うことを表明した。
 ザハルチェンコDNR元首は「DNR首都で行う予備選挙を通じて、ミンスク合意が想定する地方選挙の望ましい候補者を確定する」と述べた。ザハルチェンコ氏は、今年度上半期末に行うことを提案した。
 「ポロシェンコは選挙を実施させないため時間を浪費しているが、遅かれ早かれ、欧米がミンスク合意の実施を課すことになる。従って我々はそれに備えなければならない。我々はキエフ政権が我々を欺くために派遣するオリガルヒやデマゴーグに打ち勝つ強い候補者を求めている。我々はバンデラ主義者を戦争で破り、そして選挙でも勝利することになろう」とザハルチェンコ氏は述べた。
 消息筋によると、予備選挙は、ザハネルチェンコ氏がスルコフ・ロシア大統領補佐官と会談後に発表された。会談場所は明確にされていない。予備選挙のアイデアはスルコフによってなされ、ルガンスク人民共和国にも提案される予定である。ドネツクの政治評論家によると、予備選挙は、候補者だけでなく、DNR選管、メディアや社会団体、治安機関にとって格好のトレーニング機会ともなる。
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DNRの公式メディアは、予備選挙はスルコフの入れ知恵であることを堂々と明かしてます。なお、こちらによると、ウクライナの政党は、いかなる条件においても予備選挙に参加しないであろう、とのこと(笑)。
posted by 藤森信吉 at 20:02| Comment(0) | 人民共和国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月24日

ルガンスク人民共和国、夜間外出禁止令を緩和

 こちらによると、ルガンスク人民共和国は、5月25日から8月31日まで、夜間外出時間を23時-5時に変更した。
 また、9月1日からは、23時-6時に戻る。
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ドネツク人民共和国の夜間外出禁止時間は、23時-5時 なので、それに合わせた形に? いずれにせよ、購買力が著しく減退しているので消費喚起には大した意味はない。アパートでテレビを見て過ごす、というソ連的な生活。
posted by 藤森信吉 at 18:26| Comment(0) | 人民共和国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

新アメリカ大使を指名

 一週間前のニュースを忘備録的に紹介。
こちらによると、オバマ大統領は、新しいウクライナ大使に、マリエ・ヨヴァノヴィッチを指名した。パイヤット大使は、ギリシャ大使に転任する。
 マリエ・ヨヴァノヴィッチ(Marie L. Yovanovitch)氏は1958年生まれの国務省のキャリア外交官で、外務職員局の副学長を務めていた。これまで、クルグススタン大使、アルメニア大使を歴任し、ウクライナ大使館に勤務経験もある。そのほか、カナダ、ロシア、ソマリア、イギリスで勤務経験を有している。



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見るからに頭良さそう…在米コミュニティーが強いアルメニアの大使とか、胃に穴が開きそうだ。取り敢えず、アメリカの大使の格は、ギリシャ大使>ウクライナ大使>アルメニア大使>クルグス大使、ということのようだ。

 
posted by 藤森信吉 at 11:02| Comment(0) | ウクライナ論評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月23日

地名非共産化の実施状況

 こちらにウクライナの地名の非共産主義化がまとめられているので簡単に紹介。
 2015年5月21日に「非共産主義・ナチズム」法が発効、2016年5月19日に新たに6市・284村の改称法が決定された。 
・改称対象は76市、795村
・2016年5月13日までに688/1003地名(69%)が実施済。内、イワノ・フランキウシク州、テルノピリ州、チェルノウツィ州(通り名は含まず)、キエフ市(通り名は含まず)は完了、クリミアおよびセヴァストーピリ(通り名含まず)も完了。
・共産主義的な地区名の改称は18/41(43.9%)実施済。
・ドニプロペトロフシク市はドニプロ市へ改称。ドニブロジェリジンシク市はカミャンシケに改称。



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 ウクライナの少数言語法では、地域によってはロシア語を公式言語として用いることは可能だったはず。その場合、地名のロシア語表記はどう定めるのだろうか。
posted by 藤森信吉 at 12:39| Comment(0) | ウクライナ論評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月22日

沿ドニエストル、選挙法改正?

 こちらによると、沿ドニエストルでは、大統領選挙の当選要件を投票率25%に下げる法律が模索されている。
 イーゴリ・ブガ議員によると、沿ドニエストルから毎年8千人が移出しており、有権者データベースが不正確になり、選挙が不成立とされる可能性が出ている。今日、投票率50%以上を採る国はイタリアとベラルーシしかない。また、第一期代議員会議の議長、スミルノフ初代大統領は、2006年の住民投票で97%がロシアへの編入に賛成したことをあげ、ロシア連邦法に合わせる必要性を述べた。
 5月11日に、沿ドニエストル議会は、大統領選挙の投票率を50%から25%に下げる法案の第一読を可決していた。その理由として、沿ドニエストル有権者の47%しか、昨年の議会選挙に参加していないことが挙げられた。他方、シェフチューク大統領は投票率を40%に下げる妥協案を提出している。
 最近の国勢調査によれば、沿ドニエストル住民は過去11年間で79682人(14%)減少している。
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選挙法の改正以外にもいろいろとおもしろい情報があり、忘備録として挙げた次第。投票率50%超は国内正統性を得るうえで未承認国家としては極めて重要であること、イーゴリ・スミルノフ初代大統領が健在なこと(息子はトンズラか?)、住民数が年1%以上のペースで減っていること、ブカ議員がアフガニスタン〜第14軍の英雄である等々。まあ、法改正の意図は、再選挙の財政負担を軽減することだと思いますが。
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2016年05月21日

ポロシェンコ「軍事的手段によるドンバス奪還はない」

 こちらによると、ポロシェンコ大統領は、改めて軍事的手段によるドンバス奪還を否定した。
 国家安全保障国防会議において、大統領は、キエフにおける志願部隊の行進に触れ、「真っ先にロシアのテレビに映像が表れた。発煙筒、負傷した警官や市民、こうしたイメージはウクライナ国家の不安定さを図るものだ。再度、強調するが、ドンバスの軍事的手段による奪回は存在しない」と述べた。
 また、大統領は、ミンスク合意のすべての項目は平和的な計画に則っており、このプロレスを破壊するものは、国家に対する無責任であり、ドネツィクとルハンシクの一部の占領を継続させるものだ、とした。

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「アゾフ」部隊(志願兵バタリオン)が、キエフで「ドンバスの選挙反対」を求めて行進したことに対する大統領のコメント。「右派セクター等のラディカル民族主義者は、ロシアのエージェント」説がここにも(笑)。
 アゾフに金出しているのは誰でしたっけ。
 
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2016年05月20日

独立以降、国際金融機関からの融資総額は93億ドル

 こちらによると、1992年以来、ウクライナは国際金融機関から93億ドルを融資されている。
オレーナ・トレフブ経済発展貿易省国際援助局長がfacebook上で明かしたデータによると、1992年以来、ウクライナは国際金融機関から93億ドル、贈与契約で40億ドルを受領してきた。うち、現行の契約では年10億ドルを利用している。


 
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2016年05月19日

EU「ウクライナは人民共和国の住民に年金を払え」

 こちらよると、ロゼンコ副首相はインタビューにおいて、ウクライナ政府がドンバス占領地域の住民に年金支払いを停止していることで、毎月、7-8億フリブナ、年50-70億フリブナを節約していることになる、と述べた。不払いは、地域が解放後、もしくは住民がウクライナ支配側に移住した際に支払われるが、現時点で、国の彼らに対する累積債務は100億フリブナに達している。
 こちらによると、ヤン・トムビンスキー・在ウクライナEU代表は、ロゼンコ副首相に国内難民に対する社会保障の履行状況について会談を申し入れた。ロゼンコ副首相は、占領地域における支払いには銀行機能が存在しないため不可能であると説明したが、ウクライナ側支配地域に登録している国民は、銀行口座を通じて当該金額を引き出すことができる、とした。
 また、トムビンスキー代表はクリミアやドンバス占領地域からの避難民への支払いが停止もしくは減額されている理由についても説明を求めた。これに対し、ロゼンコ副首相は、法的根拠なしに財政支援を受け取っている者が多数いると述べた。
 ロゼンコ副首相は、ドネツィクおよびルハンシク州の占領地域の住民のうち、37万人がウクライナ側で「国内避難民」として登録し、社会保障を受け取っている、と述べた。45万人が申請を行ったが、うち8万人がウクライナ側領土に住んでいることが分かり、支払いを停止された由。
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ウクライナ政府は、あれこれ理由をつけて、両人民共和国の住民への社会保障費(主として年金)支払いを渋っている訳だが、ロゼンコ副首相がインタビューで Экономияと明け透けに言ってしまい、その記事を読んだ、EU代表が説明を求めた、という流れ。ウクライナはミンスク合意を履行しろ、という圧力ですかねえ。
 
posted by 藤森信吉 at 22:38| Comment(0) | ウクライナ論評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月18日

【祝】クリミアの電力非常事態、解除される

 こちらによると、アクショーノフ・クリミア首相は非常事態体制の解除に関する法に署名した。
2015年11月22日にウクライナの活動家が高圧電線の鉄塔を倒壊させた後、クリミアの電力システムは非常事態体制に移行し、計画停電の実施が開始された。クリミア検察庁によると、ウクライナからの電力停止に伴う企業の損失は11億ルーブリを上回る。12月2日にプーチン大統領が、シンフェローポリ市において、新しい電力橋の稼働開始を行い、4月13日には電力橋の第三ラインが、5月11日からは第四ラインが接続され、クリミアは完全稼働体制に入っていた。
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ウクライナ側の電力封鎖は、深読みすれば、ロシア側に電力橋の突貫工事を強いて、無駄な出費をさせることに目的がある、と言えなくもないが、逆に、ウクライナで電力が余ってしまい、周辺国に安く売電する始末に。
 
posted by 藤森信吉 at 22:43| Comment(0) | クリミア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ヌーランド、再びスルコフと会談

 こちらによると、ヌーランド国務次官補は、モスクワにおいてスルコフ大統領補佐官とドンバス問題について協議を行った。
 ヌーランド国務次官補によると協議は建設的であり、ウクライナ東部の安全深化とミンスク合意履行について話し合われた。アメリカ合衆国は、ウクライナの南東部の紛争を可能な限り早く解決することを望んでおり、ミンスク合意外のドンバス選挙を認めないという立場をとっている。



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РИА Новостиの挿絵(「チョットイイデスカ、ウクライナ問題について5分ほどお時間をいただきたいのですが」)では、アメリカがロシアに押し掛けた風に描いいているけど、ドンバス和平を早急に実現したいのはロシアも同様。いったい、何十億ドル使っているのだろうか。ウクライナ側では、ミンスク・コンタクトグループの代表から、ベススメルトヌィが外された。本人曰く、ポロシェンコ大統領との意見不一致。アメリカがミンスク合意履行でポロシェンコに圧力をかけていることを伺わせる。
posted by 藤森信吉 at 19:56| Comment(0) | ウクライナ論評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月17日

2016年Q1対外貿易、ロシアが輸入先1位の座から転落

 ウクライナ国家統計委員会HPに、Q1貿易統計速報が掲載されているので簡単に紹介。
・輸出77億1850万ドル(前年同期比マイナス18.5%)、輸入86億7980万ドル(同マイナス9.3%)、9億6130万ドルの赤字(10倍に拡大)。
・輸出先 ロシア(8.4%)、中国(7.6%)、ポーランド(6.0%)、エジプト(5.9%)、トルコ(5.7%)、イタリア(5.3%)、トルコ、オランダ、ハンガリー
・対EU輸出は31億9650万ドル(全輸出額の41.4%)で前年同期比マイナス2.7%。
・輸出商品の構成比は、卑金属およびその製品22.2%、動物・植物油12.3%、機械電気製品10.4%、鉱物製品6.5%、食品6.4%、化学製品 4.8%

・輸入先 中国(11.9%)、ロシア(11.8%)、オランダ(11.0%)、ベラルーシ(6.6%)、ポーランド(6.1%)、アメリカ(5.3%)、フランス、イタリア、トルコ。
・対EU輸入は38億6130万ドル(全輸入額の44.5%)で前年同期比マイナス1.2%。
・輸入商品の構成比は、鉱物製品19.4%、機械電気18.1%、化学製品17.5%、ポリマー、プラスチック製品7.1%、野菜5.9%、卑金属製品5.4%
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 貿易に占めるEUのシェアが増加。一方、 対ロ輸出は4割減/輸入は5割減、というものすごい落ち込みに。対ロ輸入減は天然ガス輸入の停止が影響している。輸入先一位の座からロシアが転げ落ちたのはこれが初めてか?。
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2016年05月16日

沿ドニエストル、シュリフの輸入独占が崩れる

 こちらによると、沿ドニエストルの食料輸入は増加している。
 国家関税委員会によると、2016年初から5月12日現在、3015.2万ドルの食料品が域内に持ち込まれ、これは前年比9.7%増である。また、食料品輸入におけるシェリフ社のシェアはかつて80%であったが、2012年の独占権と特恵のはく奪により、対外貿易に携わる企業数が増加した。その結果、今日、シェリフ以外の企業の食料輸入におけるシェアは53%に達している。
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輸入減で食料品が不足する、という噂の火消しに沿ドニエストル政府は躍起になっているところ。さりげなくシェリフ社をdisっているが、かつて同社が輸入独占権を持っていたとは初めて知った。小売りも独占していた訳だから、そりゃ儲かるよね。因みに2012年はシェフチュークが大統領に当選した年で、今年度末の大統領選挙は、シェリフ=刷新党vs現職シェフチュークの戦いとなることが濃厚。さて、ロシアはどちらに付くか。
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2016年05月15日

ウクライナ政府、ガス増産を計画

こちらによると、ウクライナは2020年までに天然ガス80億m3の増産を予定している。
 フロイスマン首相は、ハリキフ州のガス生産企業シェベリィンカハスヴィドブヴァンニャ社を訪問した。フロイスマン首相は、ウクライナにおけガスの統一市場価格の実施が、ウクライナ国内のガス増産の可能性を与える、とした。彼によると、統一ガス価格は、完全な市場価格であり、ウクライナ・ロシア間のガス契約でもなれば、ナフトハス・ガスプロム間の契約価格でもなく、西側市場における価格形成である、とした。統一市場価格により、今日、ウクライナでは2020年までに80億m3の増産が見込める、すなわちウクライナはエネルギー自給国となれる、と述べた。
 2015年度のウクライナガス生産量は192億m3である。
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Шебелинкагазвидобування(長いな)社は、ウクライナ国内生産の43%を占める。ハリキフ州における人民共和国運動を抑え込んだのはエネルギー自給的には非常に大きい、ということに。
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2016年05月14日

沿ドニエストル世論、ロシア編入を希望

 こちらこちらに沿ドニエストル住民の世論調査結果が掲載されているので簡単に紹介。
・沿ドニエストル域内、964人、沿ドニエスル大学社会科学部が実施
・東方路線(ユーラシア圏およびロシア)が共和国の成長に望ましい 89.9%
(独立国家としてロシアに自由に編入される 71.7%、独立国としてユーラシア経済同盟に加わる 18.2%)
・沿ドニエストルからのロシア部隊撤退を支持しない 82.7%
・経済危機の主たる原因はモルドヴァ・ウクライナの経済封鎖 41%
・モルドヴァの行動が経済問題の主因である 40.3%
・自らのアイデンティティ 沿ドニエストル人 53.1%、ロシア人 25.1%、モルドヴァ人 9.7%、ウクライナ人 5.9%
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 89.9%という、ロシア世論のプーチン支持率を思わせる数字に何となく人工臭を感じるが、それはさておき、調査機関が政府系ということもあり、現在の政策を全面的に支持、という結果。最後のアイデンティティ項は、「想像の共同体」の実例として面白い。25年間で民族が作り上げられている。沿ドニエストルの公式統計に「沿ドニエストル民族」は存在しないが、そろそろ登場するかもしれない。
posted by 藤森信吉 at 12:44| Comment(0) | その他旧ソ連共和国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする